オムロンは、PLC(プログラマブルコントローラ)の中心製品である「SYSMAC
CJ2H/CJ2M」シリーズにおいて、グローバル規模で拡販を行う。ハイエンドタイプのCJ2Hは年間8000台、ミドルエンドタイプの新製品CJ2Mについては、グローバル規模で3年後に年間6万台の販売を目指す。
近年の製造現場では、多軸位置制御など装置性能の高度化に伴う制御の複雑化や、加工するワークの微細化などに伴い、より高度な制御性能や柔軟な情報処理、リードタイムの短縮化が求められている。さらに厳しい経済環境を背景にコストダウンの要求が強まっている。
同社のCJ2シリーズは多軸同期制御に対応、サイクルタイムに影響するあらゆる処理を高速化し、各ユニットの応答性能を高めているほか、汎用EtherNet技術を駆使したオープンネットワークEtherNet/IPに対応し、高速大容量のデータリンクを実現している。
また、従来機種のCJ1の豊富なユニットがそのまま利用可能で、多彩なアプリケーションにも対応。
さらに、PLCのグローバル戦略を推進する同社は、PLCユーザーがより高機能・高速化を求めるハイエンド志向と、ロープライスでベーシックなマシン制御に対応するミドルエンド志向があることに着目、ハイエンドタイプとして「CJ2H」、ミドルエンドタイプとして「CJ2M」を投入した。
ハイエンドの分野では、歩留まり向上などの観点から、さらにタクトタイムの短縮化が求められており、今後もさらなる高機能・高速化が要求される。一方、ミドルエンドタイプはローコストであることから、特に新興国を中心に引き合いが増加している。
CJ2Hは、高価なモーションコントロールユニットが不要で、高速対応の位置制御ユニットにより最大20桁の同期制御が可能である。同社では、こうした高精度・高速の特徴を活かし、高速コンベアのソータや電子部品の高速画像処理検査などの分野を中心に拡販を行っていく。
また、CJ2MはLD命令が従来品の2・5倍という処理の高速化を実現しており、包装機や工作機械など汎用的なマシン制御向けを中心に拡販を行う。さらに、アプリケーション対応を強化するため、今年秋口をメドに最大4軸のパルスI/O機能を搭載した新製品を投入する予定。同社では今後、機能面ではメカニカル系のインターフェイスを基本に、モータ系のコントロール機能の強化などを図る方針で、この2つのタイプに適するユーザー向けに拡販する。08年に発売したCJ2Hは年間8000台の販売目標、今年2月に発売したCJ2Mについては、グローバル規模で初年度2万台から3万台、さらに3年後には6万台の販売目標を立てている。
また、海外展開では欧州での事業が拡大しているが、今後はインフラの整備が続くと見られる中国や、内需の振興策などで市場が急成長しているインド、ブラジルなどの新興国への事業拡大に注力する方針。