配電制御システムメーカーは、機械・生産ラインの電気制御系へ事業を拡大しつつある。動力盤、制御盤、操作盤などで培った電気制御技術が、電気技術者不足の中堅セットメーカーや機械メーカーから重宝がられ、エンジニアリング部門の一端を担いだした。製造業の受注が回復に向かい設備投資も上向いているため、今後さらに生産システム部門の受注が増えそうである。
世界同時不況は、製造業を工場閉鎖や統合、保守要員の削減へと縮小させた。輸出型産業のほか内需型産業といわれる薬品、食料品、飲料などの産業も保守部門の縮小やエンジニアリング会社への委託に切り換えるなどコスト削減を行っている。機械メーカーも、設備投資の急減で人員削減などを行ってきた。
昨年後半から市況が好転の兆しを見せ始め、製造業は生産設備のリニューアル、新規導入を再開しつつあるが、生産技術者がおらず、機械メーカーに相談するケースが多くなっている。
機械メーカーはもともと電気技術者が不足しており、制御盤発注先の配電制御システムメーカーに頼りだしている。
配電制御システムメーカー、特に制御盤メーカーは電気制御技術を活かせるエンジニアリング分野を受け、売り上げ増加を図りたい意向。
ある小規模の制御盤メーカーは、機械メーカーの顧客の生産ライン構築まで行っている。また、既設機械の改良を受けている企業もある。
モーションコントロール、無線通信、センサー技術に長けているため、機械メーカーとの取り引きが多く、生産設備に対する知識も豊富である。
製造業は今後、非正規社員雇用規制強化により、生産効率化へ生産システムの見直しや新規機械の導入を進めるものと予想され、電気制御系技術者を持つ配電制御システムメーカーはエンジニアリング事業の拡大が見込める。