グループホームなどの火災発生で耐熱形配電盤・分電盤の取り付け機運が高まっている中で、日本配電制御システム工業会(JSIA、盛田豊一会長)のJEA非常用配電盤等認定委員会は公的機関として耐熱形合否の審査・認定に忙しい。
大規模地震などに対応し昨年6月に改正消防法が施行され否応なく防火意識が高まっている。
消防法では屋内消火栓、排煙設備、非常コンセント設備など消防用設備の設置が以前から義務付けられているが、改正消防法施行後も老人ホームなどの火災が多発しており、設備点検の強化や共同住宅など建築物への新設が増える傾向にある。
消防用設備の多くには非常電源が必要で、そのうちのひとつである低圧の非常電源専用受電設備の電源確保へ配電盤・分電盤も消防法で基準が定められている。
JEA非常用配電盤等認定委員会は、学識経験者、消防機関、関係団体などで構成され、配電盤・分電盤の構造・耐熱審査、認定業務を行っている。
耐熱試験は、840度耐熱試験温度曲線に準じて30分過熱したときに盤内温度が280度以下の「一種耐熱形」、280度耐熱試験温度曲線に準じて30分過熱したときに盤内温度が105度以下の「二種耐熱形」の2種類ある。
配電盤・分電盤の型式区分は(1)耐熱性能(一種耐熱形、二種耐熱形)(2)使用方法(専用配電盤・分電盤、共用配電盤・分電盤)(3)形状(露出形、埋込型)に分けられる。
審査に適合した製品には認定証票を貼付できる。
防火機運の盛り上がりで、配電盤類メーカーでは認定取得企業が増えてきている。