日本電機工業会の発表によると、2010年度の開閉制御装置の生産見通しは6833億円で09年度比3・3%の増加。過去5年のピークであった08年度の86・8%まで回復する。リーマンショックで産業界の設備投資が大幅に減少し設備関連業種は軒並み大打撃を受けている中で、開閉制御装置の09年度は前年度比16・0%減にとどまる見込みであり、浮沈の波は他業種より小幅になりそう。
日本電機工業会では10年度重電機器生産見通しに当たり、10電力会社の設備別工事資金(拡充工事)推移、民間企業設備推移(実質ベース)などを予測の参考にしている。
10電力会社の拡充工事資金は07年度1兆8542億円(前年度比21・3%増)、08年度2兆1239億円(同14・5%増)、09年度計画2兆3671億円(同11・5%増)、10年度計画2兆4035億円(同1・5%増)で不況期に増加している。
民間企業設備投資は、07年度88兆2360億円(前年度比1・3%増)が02年度以降のピークになり、その後08年度82兆2340億円(同6・8%減)、09年度見込み68兆6650億円(同16・5%減)と09年度まで減額。10年度見通しは70兆7940億円(同3・1%増)で増加に転じると見ている。
開閉制御装置もこれらの数値との連動性が高い。10年度の開閉制御装置生産見通しは、別表の通り密閉形ガス絶縁開閉装置以外の閉鎖形配電装置、分電盤、監視制御装置、その他の開閉制御装置は前年度を上回る予測となっている。
10年度見通しを上・下期の前年同期比で見ると、監視制御装置は上期15・7%増でもっとも伸び率が高い。生産設備投資減少の影響を最も早く受けたことによると見られる。下期は昨年秋からの需要環境好転があり勢いが緩やかになる。
分電盤は建築審査機関の短縮と建築基準法改正見込みにより着工件数の増加が期待され、下期は10・3%の2桁増加。
密閉形ガス絶縁開閉器、その他の開閉制御装置は下期それぞれ5・8%、5・6%増加する。閉鎖形配電装置は上期3・9%増、下期2・8減となっている。