こうした小型・薄型化により、例えばプリント基板へ取り付けた場合、実装スペースは従来の約半分に削減でき、プリント基板の実装枚数を増やすことが可能である。
用途を特化した専用タイプでは、高い付加価値を提供するものが多い。一方、汎用タイプはヒューズや他社製品との価格比較、さらに納期などで競争に巻き込まれてしまうケースがあるが、専用タイプは、こうした点を避けることができ有利である。
加えて、在庫管理や生産管理の観点から、サーキットプロテクタの種類を減らす工夫も行われている。
1機種でACとDCに対応できるタイプもその1つで、在庫管理・生産管理がしやすく、在庫スペースも削減できる。さらに、ユーザー側でも間違った使い方が防げるとともに、注文ミスも防げる利点がある。
このほかにも端子部分にねじアップ構造を採用することで、丸圧着端子の取り付けが簡単になった上、ねじの取り外しが不要で配線工数を大幅に削減できるタイプも伸長している。
一方、サーキットプロテクタもコストダウンとリードタイム短縮が求められている。装置や機器の微小電力化により、サーキットプロテクタが小型化にシフトしてきており、数量の伸びに金額の伸びが比例しなくなってきている。
ユーザーからのコストダウン要求は依然として強く、生産コストを抑えられる海外生産シフトで対応を進めているメーカーも増えている。
サーキットプロテクタは電子機器の普及に比例して市場は拡大するものと見られるが、安全性や使いやすさという製品メリットをアピールすることで、ヒューズなどからの置き換え需要も加わり、さらに加速することが期待される。