ロボットビジネス推進協議会では、人と安全に共存できるロボットの開発・本格普及促進に向けて、安全基準や検査・認証手法の早期確立と、実証機会の拡大及び導入のための助成などの支援を含めた周辺環境の整備を産官学で取り組むことをアピールしていく。
ロボットビジネス推進協議会は、ロボット関連ビジネス事業化とロボット技術を活用した中長期的な新産業の創出支援を目的に活動している。
ロボット開発・生産では世界のトップレベルを行く日本であるが、ロボット活用でもトップレベルを確保するために、産官学が強力に支援していくことが必要だとして、同協議会ではNEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)が5年計画で進めている「生活支援ロボット実用化プロジェクト」と連携して、その成果を早急に社会活動へ活かしていくことを求めている。
具体的には、人と安全に共存できるロボット開発推進には、それを実証できる場を拡大することが重要だとして、(1)官公庁等公的施設におけるオフィスビル向けサービスロボットの実証(2)案内ロボット、清掃ロボット、警備ロボット、移動ロボット等多様なサービスロボットを集めて実証を行う商業施設、アミューズメントパーク等への支援を通じた実証(3)公立病院、リハビリ施設等での介護福祉・リハビリ支援ロボット等の実証(対象施設の拡大、受入施設への助成や人的支援の拡充等)(4)災害救助ロボット、探索活動ロボット等をレスキュー訓練等の場に継続的に導入することによる、現場従事者による実証など。
また、導入のための社会環境の整備として、(1)エレベータでの人とロボットの同乗に関する基準の整備(2)医療ロボット等における治験・承認環境の整備と人材の確保(3)移動ロボットによる公道走行を実現する条件と環境の整備(4)サービスロボットの通信用周波数帯域の確保などを挙げている。
さらに公共分野での活用に向けて、トンネル、橋脚、上下水道等社会インフラの検査・点検ロボットの調達拡充を通じた関連ロボット開発促進も必要だとしている。
一方、介護福祉用をはじめとするサービスロボットでは、産業ロボットユーザのような大規模投資とは異なる資金調達力の弱い事業者や個人がユーザとして想定されることから、こうしたユーザの初期投資リスクを低減する必要があり、具体的事業に対する支援・助成、ロボット活用ユーザへの助成、税制優遇等、ユーザのロボット導入インセンティブ付与なども求めている。