三菱電機は、省配線システムの専業メーカー、エニイワイヤ(京都府長岡京市井ノ内下印田8―1、tel075―956―1611、斉藤善胤社長)に3月31日付けで資本参加した。エニイワイヤのI/O制御レベルの省配線技術を評価する三菱電機は、自社のシーケンサなどのFA機器への活用や、オープンフィールドネットワーク「CC―Link」などとの連携を視野に入れている。
資本参加に当たって三菱電機は、第三者割り当て増資の引き受けやエニイワイヤ株主などからの株買取などによって3億3000万円を出資し、エニイワイヤ株の80・6%を取得した。これに伴い三菱電機はエニイワイヤに取締役4人(うち常勤1人)、監査役1人を派遣する。
エニイワイヤは、2001年4月に省配線システム「AnyWire」の製造・販売を目的に設立された。世界初の全4重伝送方式の技術は、FA機器間の制御情報伝送を2本の線のみで、高速かつ高信頼、ローコストで実現できることからユーザーから高く評価されてきた。近年は、省配線技術を取り入れたセンサー・システム分野にも進出している。年間売上高は約10億円。
三菱電機は、FA機器の総合トップメーカーとして高い実績を有するが、エニイワイヤの持つこうした省配線技術は今後のFA事業展開において魅力的と判断、資本参加することで結びつきを強めたもの。
三菱電機は、オープンフィールドネットワーク「CC―Link」の普及促進も強力に展開している。CC―Linkは、ファミリーとしてCC―Link、CC―Link/LT、CC―LinkSafety、CC―Link
IEなどが提唱され、コンピュータレベル(PLC上位)、コントローラレベル(PLC間)、モータ・モーション制御のフィールドレベルまで統合ネットワークを構築している。
エニイワイヤは、センサー・アクチュエータなどFA機器のI/Oレベルに優れた競争力のある技術を持っていることから、CC―Link/LTなどとの融合なども検討対象に入ってくるものと思われる。FA機器販売でも効果が期待される。
協力体制の詳細は両社で今後詰めていくが、販売に関しては、エニイワイヤは「AnyWire」のブランドを使用しながら、従来の販売代理店に加え、三菱電機の代理店ルートも活用するものと見られる。
三菱電機は一昨年、画像処理システムメーカーのコグネックスとの間でFA機器とマシンビジョンとの連携で提携を行っている。