横河電機は、1台の伝送器に同種のセンサを2本接続できると同時に、モジュールを交換することで用途を切り替えられる2線式液分析計「FLXA(フレクサ)21」を1日から販売開始した。価格は17万2000円。2010年度8500台、11年度9500台の販売を計画。
新製品は、コストパフォーマンスに優れた同社のEXAシリーズの後継機種で、初のモジュールタイプ。
1台の伝送器で2カ所の分析ができるようになるため、コストの削減と省スペース化に貢献し、また1本をバックアップに用いれば測定の信頼性向上にも繋がる。さらに、2本のセンサから得られた測定値の差分や平均値などの演算も可能。また、伝送器のモジュールを交換することでpH/ORP計、導電率計、電磁導電率計、溶存酸素計に切り替えられ、フレキシブルに使える。しかも、2線式伝送器では国内で初めてタッチパネルを搭載しており、画面上で各種設定や表示変更ができ、操作性が大幅に向上。また、トレンド表示、バーグラフ表示、デジタル表示、オーバービュー表示など多彩な表示機能を装備している。デジタル通信規格であるHART通信プロトコルには標準で対応でき、機器の個別情報やメンテナンス履歴などの保全情報を取り込めるようになることで、メンテナンス効率が向上し、センサの自己診断機能で将来のメンテナンスや校正時期の予測が可能になる。
今後、FOUNDATIONフィールドバスや、PROFIBUSにも順次対応していく予定。
液体分析計は、石油、石油化学、鉄鋼、電力、上下水道などの各種プラントで、原料や製品の品質管理、反応状態の監視、排水処理工程の水質管理などに利用されている。測定項目(pH、orp、導電率、溶存酸素)ごとに専用の伝送器に専用の検出器を接続するので、測定項目を変更する場合は、伝送器と検出器の両方を交換する必要があった。
同社では、必要に応じて測定項目を柔軟に変更して1台の伝送器を有効に活用したいというユーザのニーズに対応し、1台の伝送器でさまざまな測定項目を任意に選択できるようにモジュールタイプの伝送器を開発した。今回開発した伝送器のモジュールと検出器を交換するだけで、測定項目を変更することができるようになる。