インバーターは、省エネ化志向を追い風に市場拡大が進んでいる。09年は世界同時不況の影響で前半は大きく減少していたが、夏頃から急速に需要を回復、前年同期のベースまで戻りつつある。日本電機工業会(JEMA)の生産統計では、09年度が30・6%減の523億円であったが、10年度は24・7%増の652億円の見通しを立てており、08年度超えも期待されている。
インバーターは、モーターなどの運転効率を向上させることで電力の有効活用を図れることから、FA機器からビル設備、業務用機器、ゲーム機器など幅広い産業に広がっている。性能の向上とともに、誰でも扱える操作の簡便性や小型・軽量化、低騒音化、安全性、ネットワーク対応などがあげられ、なかでも使い易さと省エネ性の向上は重視されている。
周波数やパラメーター設定がジョグダイヤル式コントローラーを回すだけでできる機種が一般化し、さらにこうした複雑で面倒なパラメーター設定を自動的に設定できる製品もある。
また、配線を簡単にするための着脱式制御端子台の採用も一般的で、パラメーターバックアップ機能付きの端子台を採用した製品は、ユニット交換時に制御配線とパラメーター設定が不要になる。
トルク特性も向上し、3・7kW以下で駆動周波数1Hz150%から0・5Hz200%が増えている。短時間過負荷耐量も200%で0・5秒から3秒にアップさせ、過電流トリップになりにくく、ねばり強い運転を実現。過負荷定格を、軽負荷と重負荷に分けた機種も出ている。制御モーターとしてIPMモーターも注目。