ボックス・ラックは、ユーザーのコスト追求と環境対応の点から標準製品の採用が増加している。加えて、企業の情報化関連投資やデータセンターの拡充なども意欲的に行われており、追い風になっている。さらに、新エネルギー関連のソーラや風力発電、省エネ関連需要の増大なども市場拡大に繋がっている。
標準ボックスは年々、ユーザーの利便性を高めている。短納期、均一な品質、気密性、環境保護、海外規格適合による採用効果のほかに、ユーザーがこれまで外注していた鉄板加工・穴あけ・塗装の管理を省くことができトータルコスト削減につながることが、不況下で改めて認識され出した。しかも、配線作業の効率化を進めるボックスも増えて、ユーザーは内製化から標準品への切り替えが進む。
一方、ラックも情報通信分野では付加価値の高いシステム構成ラックの需要が見込め、事務所や工場などでは機密保護に関連した分野が新たな市場として期待できる。
ラックメーカーではカスタムオーダー並みの品揃えを図る一方で、耐震性、拡張性、施工性、熱対策、EMS対策、セキュリティー、遠隔監視、電源盤との共用性などを考慮した製品開発を積極的に行っている。ラックソリューションとしてラック周辺の関連機器を総合的に提供することで、ユーザーの課題解決に応えようとする動きも強まっている。
こうした応用範囲の広がりと付加価値を高める取り組みの進展で、ラック市場の将来性は明るい。市場のグローバル化が進む中で、ボックス・ラックとも規格の標準化への対応が求められている。