来年4月に創業75周年を迎える老舗の配電制御システム・電子機器メーカー、田原電機製作所(田原博社長)は、長年の実績で蓄えた現場力、開発力、設計力に優れ顧客満足度が高い。
制御システム設計・製作事業は、現地調査から筐体設計、回路設計、ソフト開発、組立製造、システム検査、立ち上げ支援まで行える体制が整い、新設はもとより既設のリニューアル・点検・整備作業まで対応。プロジェクトを編成して積極的に関わり提案する姿勢が「安心」「安全」との評価を得て、頼れる企業として存在感が大きい。
工場の生産現場や電力・鉄道・環境・道路・水処理などインフラ分野の制御・計装システムでプロジェクトマネジメントを含めた総合技術力が活きている。納入例もモータコントロールセンタ、マルチモータリレー、プロセス監視制御システム、ユニット式制御盤、コンビネーションスタータ、PSI製造装置のほか、水処理・し尿処理・ごみ処理・コージェネ・サイロ・コンベアの各種制御盤など幅広い。
配電制御システムに近年要求されるソフト開発では、PLCソフト開発、SCADAシステムによるプロセス監視制御ソフト開発、HMI構築の受託開発などを手掛けている。生産中止PLCのプログラム解析、PLC間通信ネットワーク、PC間通信などPLCリプレースはお手のもの。
また、電子機器開発・製造事業では、マイコンを応用したデジタル・アナログ回路設計、SMD基板実装・ハイブリッドICの設計・試作・量産まで受託。高密度実装や変種変量生産に柔軟に対応するため、ファブレス企業から依頼が増えている。
新市場開拓へ施工現場で簡単にI―V測定ができる携帯型太陽電池アレイチェッカーを開発した。「この製品をきっかけに太陽光発電に関わる商談や技術的な問い合わせがいろいろ来ている」(丹治直昭取締役)。これからの市場ニーズを考え「高齢化社会、環境社会、高効率化社会の出現で、当社の力量で成果につながる分野を見極める。例えば介護ロボットの制御、1次産業の自動化(2次産業化)、インフラ分野の省エネ、スマートグリッドのどこに絞り込むかを検討」しつつ、システム構築、ソフト開発、電子機器開発力に磨きをかける。
【田原電機製作所概要】
▽設立=1936年4月▽本社=東京都府中市本町2―30、tel042―364―3033▽代表取締役社長=田原博▽製造品目=制御システム、太陽電池アレイチェッカー、ソフト開発、電子機器開発製造▽設備=高速汎用マウンター、高機能窒素リフロー装置、窒素フロー槽、SMT印刷機、外観検査装置、デジタル顕微鏡。