鳩山首相が世界に宣言したCO2排出量25%削減に対し、最近は結構なことだという発言が技術者の間で多くなった。「企業の負担が大きくなり競争力を殺ぐ」から「環境、省エネの技術力がさらに増し、世界での存在感を維持できる」に変わりつつあり、エネルギー問題に真正面から取り組む姿勢が強い▼同じようなことが人口問題にもある。わが国は世界比で人口3%、GDP10%であるが、2050年までに人口1%、GDP3%に縮小する予測が出された。だが悲観することはないと、ある著名な技術者は言う。連続性変化ととらえて世界規模で考えれば、人が変わり、マーケットも変わる。チャンス到来である▼新興国が成長し、日本は製造業が海外進出し衰退するとの見方もあるが、国内でのモノ造り力を維持するために工夫をすれば良い。例えば、製造現場のロボット化である。100万円以下の専用ロボットを開発し、人間は知的な生産分野で働けば人口減少と国際競争力減退を解決できる。この方面に政府は長期的な戦略で取り組むことが望まれる▼発想を変える時代のようだ。電気工学は永久的なものでなく臨時領域で、電気がなくなれば領域も消滅する。だが、新しい臨時領域の新製品をどんどん作る企業は持続成長する。無謀かもしれないが、制御機器領域がなくなった時の次の臨時領域を考えると、案外有望な新製品が生まれる気がする。
分岐点
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