日本ロボット工業会が会員51社ベースでまとめた10年1~3月期のマニピュレータ、ロボットの生産実績は、対前年同期比40・3%増の828億円と7四半期ぶりにプラスに転じ、ピークであった06~07年の6割近くまで回復した。
自動車産業はハイブリッド車や電気自動車へのシフトが進んでいることや、電機産業では情報通信機器の販売好調を受けて、電子部品実装機関連や半導体関連市場の動きが活発で、ロボット需要が上向いた。
海外も中国市場向けを中心に電子部品実装用が回復しており、ロボット産業は緩やかな復調を見せている。
一方、10年1~3月期の出荷額は同46・6%増の891億円と、7四半期ぶりにプラスに転じた。国内は同17・4%減の261億円と10四半期連続のマイナス成長であったのに対し、輸出は同2・2倍の630億円と7四半期ぶりにプラスに転じた。
国内出荷の内訳は、自動車産業向けが同55・5%減の58億円で6四半期連続のマイナスと依然厳しいが、電子・電気機械産業向けは同21・8%増の118億円と10四半期ぶりにプラスに転じた。情報通信機器の販売の好調を受けて、電子部品実装用や半導体ウエハ搬送用が伸長した。
輸出出荷は、溶接用が同25・7%増の96億円と7四半期ぶりにプラスに転じ、電子部品実装用も同5・2倍の348億円と2四半期連続でプラスとなった。
自動車用が中心の溶接用は、中国の自動車増産と自動化投資が活発化したことで、急激に需要が拡大して前年同期を大きく上回った。電子部品実装用も中国向けが大幅に増加し、FPDや半導体用も伸長して、先行きも明るい。携帯電話、スマートフォン、パソコン、iPAD、薄型テレビなど家電・情報機器の販売好調が要因。