山武は、2010年度からの4年間を「発展期」と位置づけた経営計画をまとめた。『事業構造を変革する〈商いの創造〉』を基本方針に、海外ソリューション事業や環境・省エネソリューション事業など5つのキーワードで展開し、2013年度の売り上げ目標2600億円規模、営業利益率10%以上の260億円以上を目指す方針。
同社は人を中心に据え、人と技術が協創するオートメーション世界の実現に向けて、2004年度からの10年間を「気持ち創り期」(04年度~06年度)、「基盤を確たるものにする期」(07年度~09年度)、「発展期」(10年度~13年度)の3つに分けて展開している。
成熟化する市場の中で、オートメーション事業に選択集中しながらも、同社の強みであるBA(ビルオートメーション)、AA(アドバンスオートメーション)、LA(ライフオートメーション)という3つの異なる市場で新たなオートメーションを推進し、13年度には営業利益300億円以上、売上高3000億円規模の目標を掲げてきた。
08年のリーマン・ショックの影響を受けたことから、この目標達成は引き続き目指すものの、現実的な事業環境に即し業績目標は下げた。
「発展期」の5つのキーワードは、(1)海外ソリューション事業(2)環境・省エネソリューション事業(3)オブジェクト型ソリューション(4)商品・サービスエボリューション(5)現場型ソリューションで、特に環境・省エネソリューション事業は、エネルギー管理データの可視化と施設運転管理事例データベースの分析などを強力に展開する。
「BA事業は快適・安全・地球環境問題に貢献する次世代環境制御事業へ発展させる。AA事業は付加価値の高いソリューションとフィールド商品をグローバルに提供する。LA事業はコスト競争力強化と安心な暮らしに貢献する事業へ進化させる」(小野木聖二社長)方針だ。
同社の10年3月期連結売り上げは2122億円、営業利益は124億円で、11年3月期はそれぞれ2250億円、160億円を予測している。
13年度のAA事業の業績について「売上高は07年度の実績(1054億円)より少し多く、営業利益は2ポイントぐらい上げたい。国内の売り上げは伸びず07年度実績の70~80%ぐらいと見ており、海外で09年度実績の2倍の200億円を目指したい」(猪野塚正明取締役・AAカンパニー社長)。
なお、AA事業の10年3月期の売上高は前年同期比17・8%減の167億円、営業利益88・9%減の6億円で、11年3月期は売上高7・9%増の830億円、営業利益352・5%増の25億円を計画している。