オムロンの2010年3月期連結決算は、第2四半期までの大幅な世界経済の停滞と製造業の設備投資抑制の影響で、売上高は5246億9400万円(前期比16・3%減)となった。
一方、利益は抜本的収益構造改革を行った結果、営業利益130億7400万円(同144・9%増)、税引前当期純利益101億9500万円(前期損失391億3300万円)、当期純利益35億1800万円(同損失291億7200万円)となった。
3四半期連続で増収増益となっており、業績のV字回復を示している。特に、営業利益は緊急対策効果などにより前期比145%と大幅増加となった。
セグメント別連結売上高は、工場自動化用制御機器事業のIABが、第2四半期から自動車や電子部品業界の回復でセンサなどを中心に需要が上向き、第3四半期から半導体業界の生産立ち上がりやエネルギー関連製品の需要が回復。海外では中国向けが第4四半期において景気後退前の水準に戻り、前回見通しより1・1%増の2062億円(前期比24・2%減)となった。営業利益は139億円。
家電・通信用電子部品事業の新セグメントEMCは707億円(同7・6%減)、自動車用電子部品事業のAECは752億円(同8・5%減)、社会システム事業のSSBは580億円(同19・8%減)、健康・医療機器事業のHCBは634億円(同0・4%減)、その他は413億円(同17・8%減)、消去調整ほかは99億円(同4・8%減)となった。11年3月期の連結業績予想は、売上高5800億円(同10・5%増)、営業利益330億円(同152・4%増)、税引前純利益330億円(同223・7%増)、純利益200億円(468・5%増)。IABは売上高2460億円(同19・3%増)、営業利益290億円(108・6%増)と2桁の増収、営業利益の倍増を予測している。