横河電機は、不採算事業からの撤退と制御事業へのリソース集中を主な柱としたアクションプランを策定した。
アクションプランでは、2010年度は09年度に引き続き、11年度以降の成長に向けた利益体質への転換を図る年と位置づけ構造改革に取り組む。
不採算事業の見直しでは、08年度に半導体テスタ、アドバンストステージの撤退を行っているが、今年4月にはスタンドアロン型電子・光測定器ビジネスを横河メータ&インスツルメンツに移管し、さらにフォトニクスビジネスでは次世代光通信向けトランスポンダの開発中止、新聞製作システムがメインの子会社、日本システム技術の売却、医療画像情報ビジネスの横河医療ソリューションズの分社化などを行っている。
これらの測定器、アドバンストステージ、フォトニクスの各ビジネスからの開発エンジニアを中心に200人を制御事業にシフトし、グローバル制御市場でナンバーワンを目指す。制御のターゲット市場は、石油化学・石油精製、電力、化学、資源エネルギーなど。石油化学・石油精製では、新規と更新需要を取り込んでシェアを獲得するとともに付加価値の高いサービス提供で収益の安定化と利益率の向上を図る。電力、化学では日本市場でのノウハウを海外に水平展開していく。地域的には中国、インド、東南アジア、南米、中東、アフリカなどの新興国、資源国を中心に、省エネ・環境保全などのビジネスも絡め、拠点展開、人材確保を進める。
また、測定器ビジネスのうち、リチウムイオン電池などの二次電池の評価や、照明用LED、電気自動車の駆動システム評価など先端・高度計測分野は本体に残してソリューションビジネスとして展開していく。
こうした施策で、11年3月期は売上高3350億円(前年同期比5・8%増)、営業利益80億円(同205・4%増)を目指す。