リレー技術専門委員会(主査=IDEC辻村茂氏)は、委員会開催回数が183回とNECAの中でも最も歴史のある委員会のひとつである。現在、5社が参加し年4回委員会を開催している。
リレー技術の向上と標準化、共有化などを図り、IEC規格原案に対する提言、及びJIS規格原案やNECA規格/TRの作成などを活動の大きな目的にしている。
リレーは市場への影響力、技術力などを中心に、日本が世界をリードしている部分が多い。IEC規格へ迅速に反映させることは、NECA活動の中でも大きな意義を持つ。
2009年度は、IEC61810―1Ed・4(エレクトロメカニカルリレー)のJIC
C
4540―1(電磁式エレメンタリリレー第1部一般要求事項)との整合化を中心に活動を行い、今年2月22日付けでJIS制定された。
引き続き10年度では、IEC61810―7
Ed・3(エレクトロメカニカルリレーの試験手順)でJIS改訂の検討作業に入っている。IEC規格は従来から5年に1度ぐらいのサイクルで変わっていることから、この規格に対する日本からの意見内容を早くまとめて、規格改正に反映させようとしているもの。10年度は、この活動が委員会としての大きな仕事になる。
「TC94を通してIECに働きかける活動で、日本の国際的な発言力は大きいものがある。今後も日本が国際規格づくりをリードしていきたい」(辻村主査)と語る。リレーはメカニカル式と半導体式に構造が大きく分かれるが、いずれの方式でも耐電圧、寿命などが大きなポイントである。加えて、昨今は環境規制も強まっており、リレー素材の研究も求められている。リレー技術専門委員会では、こうした課題に対しても情報収集を行って、検討を重ねてい
る。
さらに、出荷の半分以上が海外向けというリレーの持つ市場性から海外規格の取得も必須となっている。しかし一方で、海外規格取得費用負担もリレーメーカーにとって大きなものになっている。リレー技術専門委員会では、UL規格をはじめとした海外規格取得費用の明細を検討する活動も行っている。取得費用明細を明らかにすることで、新たな規格取得方法も模索していく方針だ。
辻村主査は「リレーの役割は信号のやり取りと単純であるが、あらゆるところに使われ重要な使命を果たしている。海外生産率も非常に高いだけに、こうした海外との情報パイプを活かしながら、情報収集と発信をしていきたい」と今後の活動に意欲を見せている。
【委員会参加会社】
IDEC、オムロンリレーアンドデバイス、タイコエレクトロニクスジャパン、パナソニック電工、富士電機機器制御