パナソニック電工は、文部科学省の平成22年度科学技術分野の文部科学大臣表彰において、「静電霧化技術を用いた空質改善デバイス(ナノイーデバイス)の開発」により、同社電器事業本部電器R&Dセンター技監の山内俊幸氏と、同センター技師の須田洋氏が科学技術賞(開発部門)を受賞した。
文部科学大臣表彰は、科学技術に関する研究開発、理解増進などにおいて顕著な成果を収めた者に対しその功績を讃えるもの。中でも科学技術賞は、最近の科学技術向上の成果を顕彰するとともに、その成果に対する功績が顕著な者・グループを表彰するもの。
受賞技術の概要は、従来の空質改善でのコロナ放電方式は、発生させる微粒子の径が小さく短寿命で遠くまで拡散せず、空気中の有害成分を分解するラジカルを含まないため、部屋全体の空質改善効果が発見しにくかった。
受賞した開発技術は、部屋全体に拡散させるために10~100nm(ナノメートル)の粒子径が有効であることを見い出し、レイリー分裂現象の利用に加え、ペルチェ素子とプラズマ放電の融合により、ラジカルを含む10~100nmのナノサイズの帯電微粒子を発生させる静電霧化技術。さらに、従来計測不能だったナノサイズ帯電微粒子の粒子径、ラジカルなどの物性計測技術も併せて開発した。