富士電機機器制御(伊藤文夫社長)は、操作表示機器Harmonyシリーズとして、「指紋認証押しボタンスイッチXB5Sシリーズ」を14日から販売開始した。販売価格は4万7500円からで、初年度700台の販売を計画。
新製品は制御盤や機械の安全施策の始動操作などを、指紋認証でアクセスする人を特定するもので、産業用途向けでは業界で初めてのもの。
従来、この種の対応策としてキースイッチやパスワード、カードキーなどを使って行っていることが多いが、紛失や盗難、番号忘れ、複製といった様々な課題があった。指紋認証は、こうした課題を解消して、制御盤の安全性確保や立ち入り制限・操作禁止を実現できる。
指紋の登録・削除といった設定作業や、指紋による操作開始などはすべて本体の指紋認識部の表示と対話しながら行え、パソコン、ソフトウェアなどは不要。
指紋登録は、指紋の登録・削除ができる人(管理者)と開閉操作のみが行える人(ユーザー)の2つに分かれており、合わせて200指まで可能。
従って、機械によって操作できる資格指定や出入りの範囲限定なども容易にできる。指紋認識率は98%、エラー率0・1%以下と高い精度を誇り、指紋確認作業も30秒以内で完了と簡単・スピーディ。
本体はφ22穴にそのまま取り付けできるため、既存の盤をそのまま使って、パネルの後ろから締め付けするだけで完了する。
しかも配線方式によって、ケーブル(2メートル)タイプとM12コネクタタイプが選べる。
また、IP65の保護構造で、耐振動、耐衝撃性、ノイズ対応などにも優れており、産業用途に最適。
押しボタン動作は、オルタネイトとモメンタリの2種類が完備。
主な用途としては、制御盤やコントロールパネルの操作制限、機械安全における特定場所への立ち入り制限、安全施策に伴う始動ボタン操作の制限、ビル・オフィスの登録者以外の立ち入り制限など。