オータックス(横浜市港北区新羽町1215、tel045―543―5621、飯塚庄平社長)は、2011年3月期の連結売り上げ目標を80億円に設定し、再びピーク超えを目指す。充電器やアルマイト・金型加工などが高い伸び率を示すほか、スイッチ、端子台なども増加を見込む。
同社の10年3月期の売り上げは59億1800万円で前期比約15%減少したが、2度にわたる構造改革が功を奏し、利益は黒字に転換した。売り上げも約3分の2が海外での販売及び海外に向けた輸出と年々上昇。
「日本の本社は研究開発を有した販売会社的な位置付けで、客先ニーズに対応した技術開発と、グループの総合品質及び財務管理を主な役割としている」(飯塚社長)ことで、端子台やローカル販売のスイッチ、コネクタなども中国で開発・生産を行っている。
中国の欧達可電子(中国オータックス)には、技術、金型、プレス、成型、生産技術、品質管理、生産管理、工場運営、マネジメントなどの責任者10人を出向させ、「オータックスのポリシーを浸透させながら、危機管理に対応している」(同)という。売り上げのうち、スイッチが約40%と最も多く、続いてアルマイト・金型加工の22%、端子台18%、コネクタ14%、電子6%などで、アルマイト・金型加工と端子台の割合が高くなっている。
「中国の日系メーカーを中心に、携帯電話や薄型テレビのフレーム、テレビ置き台アームなどのアルマイト・金型加工などが増えている。薄型テレビは大型化により現地で加工できる工場が少ないこともあり、受注に繋がっている」(同)。
新年度の4月の売り上げも、この数年では最高の実績を示すなど上々のスタートを見せている。
飯塚社長は「例年、新年度はスタートが悪いが、今期は4、5月と好調である。新規事業である充電器販売が軌道に乗れば、拡大に弾みがつく」と今後の展開に大きな期待を寄せている。