電気設備機器の技術は、めまぐるしい進歩を遂げており、とりわけ昨今の地球温暖化に対する世界的な関心の高まりは、電気設備の果たす大きな役割となって表れている。
今後は一層、エネルギーのクリーン化と省エネ化を求めた製品の開発、及び資源の有効利用法に基づく再資源の製品化などが急速に進むものと思われる。とりわけ昨今は電気を効率的運用管理・制御するスマードグリッドへの関心が高まっており、国際的な取り組みに発展している。
同時に、国際化の進展に対応した規格対応、個人情報対策やセキュリティに関する製品の高度化も一段と加速するものと予想される。
こうした流れのなかで、同展は1957年に第1回を開催以来、半世紀以上の長い歴史を誇る展示会として、電気設備機器の進歩・発展に貢献してきた。その役割は、昨今のエネルギーを取り巻く環境の変化のなかでますます増大している。
来場者も、国内の電気工事業者をはじめ工事発注者、設計者などに加え、近年は海外からの出展や来場者も増えており、国際的なものになりつつある。
このところは東京と大阪開催を交互に行っているが、景気の回復が急ピッチで進んでいることから、同展の開催効果への期待も高い。
同展には、電気設備に関連する電線・ケーブル・絶縁材料、電線管・ダクト・ラック・レースウェイ・ポール・架線金物・地中線材料から始まり、電力機器・配電機器・キュービクル・制御盤・配分電盤・計器・計測器、配線器具・照明器具・光源、防災システム・自家発電装置・蓄電池設備・火災報知設備・避雷設備、通信機器・多目的情報管理システム・電子制御機器・工具・用具・保護具・ビル管理システムなどの電気設備システム、CAD、空調・環境設備、さらには太陽光・風力発電などの新エネルギー設備機器まで非常に幅広い製品が展示される。
今後、大きく拡大が期待される分野での出展増加
特に、開催テーマにもなっている環境や、省エネ・新エネに対応した出展が多数予想される。LED関連が20社(前々回の大阪は4社)、太陽光発電関連が12社(同2社)出展と、今後事業として大きく拡大が期待されている分野の出展が増加しているのが特徴的といえる。
会場は見やすいように、関連する製品ごとにまとめた展示となっている。
さらに、昨年好評であった来場者に会場全体を回って見てもらうための「抽選スタンプラリー」も実施する。スタンプの数に応じた回数で電気製品などが当たるくじを引くことができる。
また、49回目を迎える製品コンクールは、「電気設備に関連する資材の進歩改良を促進し、電気設備技術の向上と関連企業振興を図るとともに、社会生活の向上に資する」ことを趣旨にしており、今回は40社が参加して、日頃の開発努力と研鑚を重ねた製品で受賞を競う。賞も国土交通大臣賞、経済産業大臣賞、環境大臣賞など9つが授与される。参加製品には応募の表示があり、「2010電設工業展製品コンクール」参加製品を一堂に集め、パネル展示も行っている。
入賞製品は展示会終了後の6月11日に発表され、7月1日に表彰式が行われる。
「プレゼンテーションセミナー」に11社が参加
展示だけではアピールしきれない出展製品や最新技術、企業紹介などを1社30分間行う「出展者によるプレゼンテーションセミナー」には、11社が参加を予定している。
また、初日の26日には特別講演会として、午後1時30分から3時までインテックス大阪の国際会議ホールで、東京大学の進藤勇治特任教授が「新エネルギーの将来展望―国際動向と日本の取り込み―」と題し行う。
そのほか、主催者コーナーとして、豪華製品が当たるお楽しみ抽選コーナー、電設資材電子カタログコーナー、図書コーナーなども設けられている。
なお、同展と連動して会期前後の5月1日から7月31日までの3カ月間、「WEB電設工業展」が開設される。展示内容の事前予備情報や、終了後の担当者への問い合わせなどにも活用できる。