コネクタは、携帯電話、デジタルカメラ、DVD、薄型テレビといった新しいデジタル機器や、パソコン、アミューズメント、さらに自動車関連などが牽引しているほか、半導体・液晶製造装置、工作機械、ロボットなどの需要も大きい。加えて、デジタル放送関連、セキュリティ分野、移動体通信基地、新エネルギー関連など多岐にわたる分野で拡大している。
最近のコネクタの傾向としては、超小型・スリムサイズ、低背化、最軽量化、SMT対応、カード用コネクタの増加などが目立つ。また、接触の安定性確保、環境・作業性に配慮した結線方式採用への取り組みも進んでいる。安全ニーズに応えたセーフティタイプのコネクタも浸透している。配線の接続作業時や計測業務時、あるいは配線接続部分での不用意な接触事故などを未然に防ぐ構造となっているのが大きな特徴で、工場、研究室、学校など様々な分野で使用されている。
産業機器分野で普及が期待されているのが、工作機械や半導体製造装置などで使用されるセンサを繋ぐコネクタである。機械・装置で使われるセンサは多種あり、メーカーによって使用されるコネクタも異なっている。そこで、コネクタの標準化を図ることで、配線工数や在庫コストなどを削減し、トータルコストのダウンに繋げようという取り組みが進んでいる。ケーブルアクセサリーや配線ダクトは、配線接続機器を陰で支えているが、最近では端子台、コネクタの需要増と比例するように用途拡大が進んでいる。特に、ケーブルアクセサリーは、デジタル家電や自動車向けを中心に堅調である。
ケーブルアクセサリーや配線ダクト分野でも環境対応が取り組まれ、環境負荷の大きい有害物質の排除に向けたエコ製品の開発や再利用できるタイプの開発が進んでいる。特に、「リユース、リサイクル、リデュース」の3Rをコンセプトに、環境負荷低減を目的とした環境循環型の製品のほか、ケーブルと取り付けベースを一体化した製品など高付加価値製品が開発されている。
配線接続機器市場は、幅広い分野にわたっており、確実な需要に支えられている。海外メーカーの参入もあり、コスト・納期・品質などの面で熾烈な戦いが繰り広げられているが、各メーカーではグローバルな展開も視野に入れ、厳しい環境を行き抜くため、懸命な企業努力が行われている。
結束バンド、配線ダクト、端子台などのメーカー・商社などが参加して昨年設立された「日本配線資材工業会(JWAA)」は、化学物質管理の取り組み強化などを活動方針に掲げ活動している。