立花エレテックは、体質改善プロジェクト「C.A.P.UP
1500」を推進し、同社単体での売上高1500億円の達成を目指す。このため、海外事業での販売強化とネットワークの構築、グループ経営によるシナジー効果の追求を図る。
同社グループは前期に、太陽光発電システムなど成長市場として期待されるクリーンエネルギー分野を開拓するため「環境エネルギー本部」を設立、さらに海外事業戦略として中国や東南アジアを中心に現地法人を活用し基盤強化を図ってきた。
また、体質強化のため、「C.A,P.UP
1500」を策定し、各事業のミッションを基軸とした営業力の強化と、研修センター立志館を活用した総合的な人間力の強化を実施してきた。
今期は、さらなる経費削減などに伴う費用統制の実施と、成長基盤をさらに強化するため、改革・革新をキーワードに積極的な事業戦略と体質強化に取り組み、「C.A.P.UP
1500」を推進させる。
C.A.P.UP
1500のCはCapability(~できる能力)、AはAbility(実際に物事ができる能力・才能・手腕・力量)、PはPower(~する実行力)、1500は同社単体で売上高1500億円達成の意味を込めており「C.A.P.UP
1500」をテコに社員一人ひとりが実行力・実現力を高めていく。
具体的な戦略として海外事業展開では、新興国と中国を含むアジア市場での販売戦略を一層強化する。FA製品及び半導体の現地販売ネットワークの構築などに取り組み、同社グループの認知度向上を図る。すでにマーケット開拓のため、販売促進ネットワークづくりを推進しており、年内には完成させる予定である。
また、FA製品は新興国がボリュームゾーンとなっており、ミドルスタンダード製品が伸長している。今後は、いかにミドルスタンダード製品を攻めきれるかがポイントになるとしている。
戦略事業の強化とグループ経営によるシナジー効果の追求では、工事会社の再編による子会社「立花宏和システムサービス」の事業領域を拡大し、質の高い工事・サービスを提供する。
ソリューションビジネス強化では、省エネ・環境・安全・効率性を複合的に捉え、生産現場に求められるソリューションを総合的に提供する。環境エネルギービジネスでは、クリーンエネルギーとして、太陽光・風力発電システム、燃料電池の需要開拓と導入支援を行う。
連結のシナジー強化では、今年4月に完全子会社化した大電社を含め、国内9社及び海外6社の経営資源を効率的に相互活用する。特に大電社は、従来から得意としている計測機器や表示機器に注力する。コントローラ系では三菱電機があるので、大電社のラインアップがほぼ完成することになる。そのほか、商品知識・技術知識・施工能力についても向上を図り、営業活動・業務処理・組織管理などあらゆる面において創意工夫を持って取り組んでいく方針である。