機械安全の資格制度「セーフティアセッサ(SA)資格」に、今年度から新たに「セーフティベーシックアセッサ(SBA)資格」が加わる。SBAは、製造現場の安全確保の観点をさらに広げ、製造職・管理職・管理業務職・営業職など非技術系職種で、機械運用安全の知識を有する人材育成を狙いとしている。対象も国内に留まらず、海外(とりわけアジア)に製造拠点を展開しているわが国企業を中心とした製造業従業員/管理職にも広げグローバルな運用を目指している。
日本電気制御機器工業会(NECA)と日本認証(JC)は、「セーフティアセッサ資格制度」を2004年から6年間にわたって運営してきており、09年度までに146社1913人が資格を取得している。
SA資格は、レベルによって3段階(セーフティリードアセッサ、セーフティアセッサ、セーフティサブアセッサ)に分かれているが、これらは技術的に深い理解が必要であるのに対し、今回設けるSBA資格は、機械安全の基礎知識レベルが確認できる一般向けの技術系専門職以外を主な対象にしている。製造現場の安全確保で、具体的には機械安全に直接関与しない従業員が「国際安全基準に基づく専門性を加味した基本的・基礎的な安全関連及び機械運用安全の知識」を習得し、その機械安全のスキルを習得した現場従業員が、製造現場で「安全パトロール」を実施出来るレベルに到達することを目指している。また、海外事業所でも国内事業所と同じレベルの製造現場を維持・管理する狙いもある。
SBA資格制度の仕組みは、NECAが企画・教育を行い、JCが運営する。
NECA規格で「セーフティベーシックアセッサ資格」に必要な知識、試験方法等を規定しており、それに基づいた試験により、認証は第三者からなる「SBA認証委員会」が行う。
試験は、団体(企業単位による出前試験)と定期があり、講習会も実施する。
今後5年間で1万人(うち海外で500人)程度のSBA資格取得者の育成を目標にしており、海外もインドネシアを皮切りにタイ、台湾、韓国、中国などアジア各国で展開を計画。