エニイワイヤ齋藤善胤社長に聞く 「今年度を第2の総業」と位置付け三菱との販売、開発面での協業効果に期待

省配線システムのエニイワイヤ(京都府長岡京市井ノ内下印田8―1、〓075―956―1611、齋藤善胤社長)は、3月31日付けで三菱電機が資本参加し新しいスタートを切った。同社の齋藤社長に今後の方針を聞いた。




三菱電機が資本参加し、4月から新しいスタートを切りましたが。

「当社は2001年4月に設立、今年で10年目に入るが『今年度を第2の創業』と位置付け、新たな気持ちで取り組んでいきたい」

三菱電機はオープンフィールドネットワーク「CC―Link」の普及促進を図っていますが、省配線システムとのかかわりはどうなりますか。

「当社は、センサ・アクチュエータなど、FA機器のI/Oレベルに優れた技術を持っており、社名の由来となった世界初の全4重シリアル多重伝送方式の技術は、高速かつ高信頼、ローコストで実現できることから、FA分野を中心にBA分野、PA分野でも高い評価を得ている。今後はCC―Linkを補完する役目を果たすと同時に、すみ分けも図っていきたい。特に、三菱電機が保有するコントローラ・フィールドネットワーク技術と、当社が保有するセンサ系ネットワーク省配線技術を融合させ『CC―Link
IEファミリー』として、グローバルで強い競争力を持つネットワークを展開していきたい。さらに、センサ系技術では、現場志向・ニーズに合うような底辺を支える商材として育成していきたい」

三菱電機との相乗効果で期待できる点は。

「三菱電機は上位のネットワーク展開が得意で、幅広い事業展開に定評があり、当社も幅広い販売網に期待したい。一方、当社は現場の情報収集に長けており、センサを中心に下位からの様々な情報など、事業を深耕する分野で強みを発揮していきたい。中立の姿勢は維持する方針だが、三菱電機との親和性を大事にし事業の成長に繋げていきたい。また、CC―Link/LTなどとの融合も視野に入れているが、当社のセンサ系技術は例えば制御盤内や装置内などで重要な役割を担っており、どちらかと言えばクローズである。一方、CC―Link/LTはオープンなので、必要に応じこの2つのネットワークを使い分けていきたい」

今後の具体的な事業展開は。

「販売面では、両社の製品を組み合わせた共同でのソリューション提案を実施し、三菱電機の機器販売網を活用し当社の製品を拡販したい。特に当社が持つ自動車、液晶・半導体向けシステムセンサを駆使し、従来からこうした分野に強い三菱電機のシーケンサなどのFA機器製品と組み合わせ提案し、さらなる売り上げ拡大とシェアアップを狙いたい。開発面では人事面など体制の拡充を図り、両社の技術を融合した次世代統合ネットワークなどの開発を手掛けていきたい。そして製造業のトータルコスト削減、生産性向上のニーズに的確に対応していく」

海外展開は。

「最大の市場である中国については、両社が持つ特徴を活かして上位と下位の双方から攻めていきたい。すでに当社は韓国、台湾向けに手応えを感じる販売実績を挙げており、積極的に展開していきたい。グローバルでのネットワーク覇権争いとしては、欧米勢に対抗可能な日本発のソリューションが必要である。欧米勢に対抗するベストソリューションを構築することが究極の目標であるが、中国市場で勝利を上げることができれば、グローバル競争に勝つことと同様と言えるだろう」

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