三菱電機と独・SAP社は、協業して製造現場から経営までのエネルギーを計画的に管理し、製造業の省エネルギーを効率的に推進するソリューションを共同開発することになった。
三菱は、工場の生産実績、稼働実績、品質情報など生産現場の各種データを、設備や装置内部からダイレクトかつリアルタイムに収集して、情報システムに活用し「見える化」することで様々な課題や悩みを解決する「e―F@ctory」構想の中で、特にエネルギーに関連する部分では「e&eco―F@ctory」のコンセプトで提案していく。当面パイロットユーザー3社に導入して来年3月まで状況を見た後、本格発売を行う計画。
今回の協業は製造業の課題のうち、生産現場の稼働率や品質情報、歩留まりなどの生産情報を「見える化」して改善を進める現場が増えつつあるが、省エネについては生産情報とエネルギー情報を関連づけた取り組みが少なく、生産品個々の消費エネルギー管理(原単位管理)もできていないという実情を背景に、三菱の製造現場でのエネルギー管理技術と、生産管理・経営分野の可視化をサポートするSAPのソリューションを連携させることで、製造現場から経営に至るまでのエネルギーを管理し、省エネを支援する新たなソリューションの共同開発を行うことにした。
共同開発では、三菱の「e&eco―F@ctory」ソリューションと、SAPの製造業向け統合ソフトウェア「SAP
MII」、及び工場の製造現場における部材、製品、設備、作業者など、さまざまな情報を統合する製造実行システム「MES」を直接連動させて、製造現場末端の多様なデータやエネルギーデータを、途中のシステムで分断されることなく結び付け生産管理者や経営層がリアルタイムで閲覧するとともに、企業全体での計画的なエネルギー管理、及びその「見える化」を実現する。