山武は、米・GE社のコリオリ質量流量計「Rheonik(レオニーク)」を日本・アジア市場向けに仕様を変更し、azbilブランド商品として今月から販売開始した。第1弾では、食品、飲料、薬品、樹脂、電気・電子、自動車などの市場向けに、2011年には化学、石油化学の防爆エリアでのアプリケーションに対応する日本のTIIS防爆仕様も投入して、15年には1000台、年間売上高15億円、国内シェアは30%以上を目指す。
コリオリ質量流量計は、流れる液体、気体の質量を直接測定できる流量計で、体積式流量計のように温度・圧力補正は不要であり、指示値の〓〓0・2%(液体の場合)の精度が保証されるため、生産性向上、取引精度の向上に貢献する。
Rheonikのコリオリ質量流量計は、自動車製造・ガス取引・食品装置・太陽電池装置などのアプリケーションにおいて高い信頼性と実績を有し、またパイプの曲げ加工から校正まで一貫生産を行っており、特に小口径のコリオリ質量流量計については、世界でも有数の実績と高い評価を得ている。山武は、2線式電磁流量計で世界トップの納入実績を持つなど、電磁流量計、差圧流量計、サーマル流量計を中心として流量計ビジネスを積極的に展開し、世界で約100億円の売上高を誇る。
今回、Rheonikブランドのコリオリ質量流量計を販売開始することで、測定可能な流体、アプリケーションを拡大できる。
販売するのは「Admass(アドマス)コリオリ質量流量計」で、口径は10~300ミリ(世界最大)までを用意し、最小流量は0・00075キログラム/分から、最大流量は2万3000キログラム/分まで可能。
日本・アジア仕様では、高温多湿な環境への対応を強化し、配管接続などに関してもJIS仕様を追加した。さらに、RoHS対応、CEマーク、PEDなど欧州指令の基準をすべて満足している。
なお、口径10~50ミリまでの製品は、azbilグループの山武瑞穂で日本の国家標準に基づく実流校正を行い出荷し、定期的な保守・メンテナンスも山武瑞穂で校正の提供を行う。