表面処理専門メーカーのマルツ工業(浜松市東区白鳥町80、蒸着事業部〓072―943―0802、石津明次社長)は、シリコーンゴムなど柔軟性樹脂に蒸着した金属皮膜が折り曲げても剥離しない真空蒸着・塗装技術「マルツコート」を業界で初めて開発した。
新技術による加工は、民生用から産業・工業用まで幅広い製品の差別化・付加価値向上に貢献するものと期待される。
近年、色は製品の特徴・性質を表現する手段として、デザインと共に重要視され、産業界では「色の価値」に対する認識が高まっている。
そのため、民生用から産業・工業用までカラフルな製品が発売されるようになったが、シリコーンゴム、エラストマー、EPDMなど柔らかい素材は金属皮膜が剥離するため加工が困難とされてきた。
新開発の真空蒸着・塗装技術「マルツコート」は、成型品を独自の処理で表面改質し、ベースコートとトップコートにオリジナル塗料を採用することにより、真空蒸着した金属皮膜が曲げてもねじっても割れたり剥離しない画期的な技術。これまで困難とされた柔軟性樹脂への多彩な色加工が可能となる。
石津社長は「柔軟性樹脂は配線資材を始めとする工業用資材・産業用機器から二輪車、自動車、情報通信機器、家電品、家庭用品、スポーツ用品、アミューズメント機器、調度品まで幅広い分野で採用されているが、マルツコートは製品の差別化、高付加価値化を可能にする新塗装技術である」として、加工品の受託に期待を寄せている。