オムロンは、6月21日付けで社長直轄の組織として「ものづくり革新本部」を新たに発足させた。
同本部発足により、メーカーにおける最も重要な要素である「ものづくり力」を発揮し、各事業部門の競争力強化を総合的に支援するとともに、統合的な原価構造の革新に取り組んでいく。
同本部は、部材調達から、品質・環境、物流、ITインフラの構築に至るまで、サプライチェーン上のものづくりに関する専門機能を統合再編したものである。
競合優位な事業基盤や、ものづくり技術の構築を図るとともに、事業における様々なプロセス革新を推進することで、各事業部門の競争力強化を総合的に支援していく。
同社は、09年2月から11年3月末までを「リバイバルステージ」として、事業ドメイン戦略と運営戦略による抜本的な事業構造改革に取り組み、グローバルでの競争に勝ち残るために、環境変化に強い強固な収益構造の構築を目指している。
特に、売り上げ原価率では09年度実績比で7ポイント低減することを中期的な目標に掲げ、経営体質の強化に取り組んでいる。
今回の組織再編は、中期的目標である収益構造の実現に向けてのもので、従来の変動費低減や製造固定費削減といった個別の取り組みではなく、ものづくりに関する専門機能と各事業部門が一体となって、統合的な原価構造の革新に取り組む体制づくりが狙いである。
この中で、ものづくり革新本部はリバイバルステージの完遂に向け、メーカーにおける最も重要な要素である「ものづくり力」により、全社横断型で運営戦略を推進し、構造改革の着実な実行を図っていくことにしている。具体的には、各事業部門の重点戦略テーマごとに、各専門機能をリソースするクロスファンクショナルチームを編成し、事業部門と共同で原価構造の革新に取り組む。
これにより、これまでのような各専門機能による個別の支援ではなく、重点戦略テーマの原価構造全体を俯瞰した総合的な施策を実行に移し、強固な収益構造を作り込む。
また今後、同社グループの海外での事業展開がより一層拡大することを想定し、これまでそれぞれの機能部門が保有していたグローバル拠点を統合することで、成長市場における事業支援体制の強化を図っていく。
加えて、同社グループにおける品質・環境・製品安全に対するグローバルベースでのマネジメント機能と、環境配慮型ものづくりを推進すると同時に、ものづくりに関わる人材の確保・育成を図っていくことにしている。