山武は23日、猪野塚正明取締役執行役員常務・アドバンストオートメーションカンパニー社長が記者会見しPAソリューション事業を海外市場で拡大させると発表した。第一弾として、既設プラントの長期安定操業を支援する独自プログラムの提供を開始した。海外で同社グループが関与した既納システムを対象に、2013年までに09年度の2倍、300億円の売り上げを目指す。
同社の既納システムは世界で1万以上稼働している。すでに制御システムの更新時期が過ぎているものも多く、既設プラント運用の延命か、部分更新、運用効率改善などの要求が出てきている。同社ではこうした海外の要求に応えるため、既設プラントのソリューション事業を拡大させる。
その第一弾として、稼働中のシステムを最大限活用しながら継続的に進化させていく独自のプログラムをグローバル提供する。
プログラムは(1)20年以上稼働している既存コントローラ(3万台/3000システム)をさらに25年まで延命する(2)1万システムを超える既存分散制御システムのソフトウェア資産を移行できる新型制御システムの提供(3)既設プラントの付加価値を向上するフィールドソリューションの提供などにより、最小の投資で最大の効果を発揮するシステムに蘇生させる。
同社では、システムソリューション事業ができるグローバル拠点を従来の中国、韓国、アセアン各国の現地法人に加え、新たにタイにアジアソリューションセンターを設立した。今後4年間で300人規模に増強する。さらに中東支店、アブダビ支店のほか4月にインド現地法人設立、今夏にはブラジル現地法人を設立し体制を強化する。