六合エレメック中国・上海に販社を設立勝崎幸夫社長が海外戦略語る岡谷鋼機とエレクトロニクス事業拡大へ協業

【名古屋】このほど岡谷鋼機の資本参加を受け、同社の子会社となった六合エレメックの勝崎幸夫社長に、資本参加後の両社の協力状況、海外戦略、今後の展開などについて聞いた。勝崎社長は「エレクトロニクス分野の拡大で両社の思惑が一致した」と語り、また、中国・上海に販社を設立したことを明らかにした。

「岡谷鋼機と当社の思惑が一致して資本参加を受けることになった。当社に派遣されている横江義也取締役(非常勤)は、岡谷鋼機の東京本店エレクトロニクス本部長で、岡谷鋼機は得意の鉄鋼分野以外にエレクトロニクス分野を伸ばそうとしている。横江取締役は当社の役員会、経営会議などに出席して、エレクトロニクス分野の戦略策定に役立てている。岡谷鋼機は三菱電機関連の取り引き、当社はパナソニック関連の取り引きが多く、営業のやり方も違うが、両社が協力して、上手く営業活動を行っていけば、エレクトロニクス分野はまだ伸びる可能性を秘めている。また、岡谷鋼機の営業品目である工作機械の周辺装置も当社で取り扱うことができる」。

社員の実務レベルについては、「岡谷鋼機がエレクトロニクス関係の営業活動を行っているときに、当社にサポートを要請するなどして協力体制が整いつつある。今後は必要に応じて、社員レベルでも営業会議などを開いていく」と営業最前線でもお互いに協力体制が整いつつある。

また、日本製造業の中国を始めとする海外進出が続く中で海外事業について、「海外での事業を強化しないと、商社は今後、生き残っていけない。このほど上海市に電気・電子機器を販売する100%出資子会社、上海洛庫高電子有限公司を設立、日本の現地法人向けに商材、部材を提供する体制を整えたが、岡谷鋼機は既に中国の北京、広州、天津などに8カ所の拠点を持っている。これら拠点のスペースの一部を貸してもらったり、技術者、営業人員の交流を図ったりすることで、中国のかなり広い範囲でサポート体制を整えることができる」と中国での事業展開に意欲を示した。

そのため、勝崎社長が上海洛庫高電子有限公司董事長を兼任し中国での事業に本腰で取り組む。「新会社の資本金は3000万円。社員は当初4人体制で日本の現地法人などを対象に、電気・電子機器の開発、簡易加工、販売、物流コンサルタント、輸出入、中継貿易などを行う。今年12月期は1億5000万円、2011年12月期は3億円の売り上げを計画している」。

インタビューの最後に、勝崎社長は「まだ動き始めたばかりで、資本参加を受けたことによる目に見える変化はあまりでていないが、お互いの持ち味を生かして、連携していくことで売り上げ増に結びつけていく」と抱負を語った。

なお、岡谷鋼機は今年3月に六合エレメックの株式の過半数を取得して子会社とした。非常勤取締役と非常勤監査役を六合エレメックに派遣。

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