オムロンは業界最高クラスの高速性を実現した、超高速EtherCAT対応の位置制御ユニット「SYSMAC
形CJ1Wシリーズ」計3形式(標準価格4軸タイプ24万3000円、8軸タイプ29万3000円、16軸タイプ31万円)と、EtherCAT対応リモートI/Oターミナル「形GX―□D16□1」の計6形式(同各3万2000円)を発売した。年間販売目標は、位置制御ユニット、リモートI/Oターミナルとも2000台。
新製品は、マシン制御の超高速モーションネットワークEtherCATを採用。位置決め性能の高速・高精度化と、ネットワークによるサーボの多軸化及び入出力機器間との省配線化による立ち上げやすさを追求した。
また、EtherCATは、フィールドネットワークとしての柔軟性を兼ね備えており、装置内のネットワークを統一することが可能となり、生産タクトタイムの短縮に加え、装置設計期間、配線時間、装置立ち上げ期間の短縮にも貢献する。
同社のPLC「CJ2シリーズ」と、EtherCAT対応位置制御ユニットの組み合わせに、EtherCATスレーブ機能を搭載した、同社製サーボドライバやリモートI/Oターミナルを接続した位置決め制御において、最速0・15ms~0・4ms以内(1軸起動=直接運転時、4軸同時起動=メモリ運転時)の高速起動を実現(同社従来比5倍)した。
また、4軸制御の場合、16点のリモートI/Oターミナルを352点(22台)まで追加しても、位置制御ユニットの制御周期1msで位置決め性能を実現、マシンの生産性を向上した。
従来のPLC用サポートツール(CX―Programmer)内に、位置決め制御の設計から保守までのサポートツール機能を統合。面倒なネットワーク設定や、ネットワークに接続されている入出力機器の認識を自動で行い、セットアップを自動完了する。
また、ユニットからサーボ設定まで一連の作業を一本化するとともに、サーボのゲイン調整時の入力要素を減らし、サーボのオートチューニング性能を高めたことで、パラメータ設定と立ち上げ・調整時間が短縮できる。
接続ケーブルは、Ethernetケーブルを採用。リモートI/Oターミナル・位置制御コントローラ間の省配線化が可能なほか、ケーブルも入手しやすい。
位置制御ユニットは、2軸・4軸・8軸タイプに加え、16軸までの位置制御が可能で、1台で複数台数の軸制御ができる。
また、形CJIW―NC□82シリーズは、64台分のリモートI/Oを割り付けできるエリアを確保。位置決め制御だけでなく、シーケンス制御に必要な入出力を取り込むことが可能。位置制御ユニット1台で位置決め制御とリモートI/Oの制御が可能となった。
さらに、直線補間制御、円弧補間制御、インデックステーブル制御、フィーダ制御など、従来モーションコントロールユニットで行っていた機能を同ユニット1台で可能にした。
形GXシリーズは、入力ON遅延時間100μs、OFF遅延時間200μsと、従来比約7・5~15倍の高速入力スループットを実現。タクトタイムの向上に貢献するほか、ノードアドレスの設定のみで通信設定が完了できる(NC□82固定割付モードの場合)。
なお同社では、デジタルI/Oターミナルに関して接続方式にねじ式3段端子台、e―CONコネクタタイプを追加発売するほか、アナログI/Oターミナル、エンコーダ入力ターミナルなどの発売を予定している。