村田製作所は、半導体製造装置などの産業機器市場向けに標準プラットフォーム電源(AC―DC電源)=写真=を開発、発売を開始した。特許関係出願済み2件。
同社は、プリンタ・FAXやフラットテレビなどのデジタルAV機器向けに、独自の回路設計技術により高効率で長寿命のカスタム電源を提供、高い評価を得ている。
標準プラットフォーム電源とは、入出力など業界共通仕様の回路を使った電源。同社では、カスタム電源で培われた電源回路技術のノウハウをプラットフォーム化、高効率・長寿命を実現した産業機器向け標準仕様のプラットフォーム回路として新しく商品化した。特徴は、カスタムICを使用した独自の共振回路により、AC240V・300Wで91・5%という業界トップクラスの高効率を実現。
発熱を抑え、放熱を最適化することにより、Ta40度100%Loadで6年以上、Ta40度50%Loadで10年以上という長寿命を達成した。また、自然空冷が前提のため、冷却ファンが不要で、ファンによる騒音・寿命の心配がない。
ピーク負荷対応として、150W品は冷却条件により180W連続運転が可能、300W品は10秒間のピーク対応が可能(480W)である。適合安全規格は、IEC60950―12nd、UL60950―1、CSA
C22・2
No60950―1。
製品仕様は、「MVBA150―12」が出力12V/最大電力容量150W/サイズ93×34×168ミリ。「MVBB300―24」が24V/300W/120×40×250ミリ。なお、小型品「MVBA150―24」(24V/150W/93×34×168ミリ)は、10年下期での商品化を目指している。用途は半導体製造装置、各種計測・分析装置、産業用ロボット機器、LED表示装置、そのほか産業用機器全般だが、今回まず2アイテムを商品化し、今後ほかの仕様への展開・拡充を図る方針である。