横河電機は、半導体製造装置や電子部品・電子機器組立て装置などへの組み込みコントローラ「eMbedded
M@chine
Controller
e―RT3」シリーズの上位機種「e―RT3
2・0」用に、「Linux対応CPUモジュール」=写真=の機能強化版の販売を開始した。価格はオープンで、国内外合わせて2010年度1000台、11年度1000台の販売を計画。
今回の機能強化では、業界で初めてリアルタイムLinuxに対応したことで、一般のLinuxに対応したソフトウェアで作成したプログラムも動作するため、既存のプログラムを変更することなく導入することができる。
しかも処理要求に対する応答速度を同社従来製品比10倍に向上しており、高速な制御を必要とする装置でも使える。
また、Linux対応CPUモジュールに必要なドライバと260種のオープンソースソフトウェアを同梱したソフトウェアパッケージの中から、今回追加したシステム構築ツールを利用して、必要なソフトウェアのみをCPUモジュールに簡単に組み込むことが可能。
さらに同社が提供するリアルタイムLinuxに対応したオープンソースソフトウェアの技術サポートライセンス費用も、同社提供のソフトウェアにサポート対象を限定したことで、商用LinuxOSベンダーの技術サポートライセンス費用と比較して、約10分の1以下という低価格を実現している。
近年、生産効率向上のために、半導体製造装置などの各種装置の制御において、機械制御に加え、データ演算機能、装置間の通信機能などさまざまな機能が求められているが、パソコン用OSに対応した制御用組み込みコントローラを用いることで、ネットワークや情報処理用のソフトウェアが動作するパソコンを外付けすることなく装置の制御と情報処理が可能になる。
同社は、08年9月にLinuxに対応したCPUモジュールを発売したが、リアルタイムOSに対応した組み込みコントローラと比較すると、導入範囲が限定的であった。
今回の、リアルタイムLinuxに対応したCPUモジュールを開発したことで、応答速度を従来製品比10倍以上向上、高速な制御を必要とする装置の制御と情報処理の両方を可能にした。