日本ロボット工業会は、2009年(1月~12月)の会員と非会員99社の「マニピュレータ、ロボットの統計生産・出荷実績」をまとめた。
これによると、09年の生産額は、対前年比53・6%減の2888億円と半減し、3年連続でマイナスとなった。
世界同時不況の影響により、ロボット業界に大きくかかわる設備投資が国内外を問わず急減速したことが大きく影響し、基幹産業である自動車産業や電子・電気機械産業が大きな打撃を受けたことで、ロボットの受注・生産・出荷の実績は前年を大きく下回る結果となった。
一方、総出荷額は対前年比53・8%の3001億円となり、2年連続でマイナスとなった。国内出荷額は、同49・7%の1243億円となり4年連続でマイナス、輸出額は、同56・3%の1758億円と2年連続でマイナスとなった。
国内出荷は、電子・電気機械産業向けが対前年比36・0%の605億円と3年連続でマイナスとなり、FPD用(ガラス基板搬送)を除き、電子部品実装用をはじめ、関連する用途の需要が大きく減速した。
また、自動車産業向けは、同65・5%の328億円と2年ぶりにマイナスに転じた。世界的な自動車需要の低迷による自動車産業の減産とそれに伴う設備投資の凍結が、ロボット出荷の大幅な減少へと繋がった。
輸出は溶接用(自動車産業向けが中心)は、対前年比58・7%の236億円と3年連続のマイナスで、欧米向けの激減や、伸長していた中国向けも低迷したことでプラス要因がなかった。
電子部品実装用は、同61・1%の666億円と2年連続のマイナスで、中国向けの激減が影響しているが、年後半には回復の兆しが見られた。
クリーンルーム内作業用では、FPD用(ガラス基板搬送)や半導体用(ウェハ搬送)が年間を通じて低迷した。
なお、10年は昨年を大きく上回り、11年には本格的な回復をすると同工業会で予測している。
これを裏づけるように、10年4~6月期のマニピュレータ、ロボットの生産実績(会員ベース)は、対前年同期比2・5倍の1068億円と2四半期連続のプラスとなり、リーマンショック前比の7割以上に戻っている。
出荷も、同2・3倍の1121億円と2四半期連続でプラスになった。国内出荷が28・7%増の253億円、輸出が同3倍の868億円と輸出の伸びが高い。