経済産業省は産業構造審議会に、日本企業の社会インフラ輸出を促進するための戦略を立てる「インフラ・システム輸出部会」を発足させた。
輸出促進に向けて日本が強みを持っている11の分野で、2020年までの課題と目標、方向性などを審議する。
11分野は、(1)水(2)石炭火力発電・石炭ガス化プラント(3)送配電(4)原子力発電(5)鉄道(6)リサイクル(7)宇宙産業(8)スマートグリッド・スマートコミュニティ(9)再生可能エネルギー(10)情報通信(11)都市開発・工業団地。
送配電では、アジア地域における送配電システム整備及び、先進国における洋上風力発電導入に伴う海底ケーブル敷設案件や電力流通設備経年化によるリプレース需要等の獲得を狙う。
情報通信では、世界市場における目標を明確に設定し、ハードウェア、ソフトウェア、ITサービス、通信の各分野において20年までに海外売上高比率50%以上を目指す。
再生可能エネルギーでは、機器分野とシステム事業分野の双方で拡大する市場の獲得を進め、システム事業分野では日本のエネルギー事業者がノウハウを蓄積し参画していく。
さらに鉄道分野では高速鉄道で先進国を含めて運転・管理まで事業展開し、都市鉄道では欧州、北米、中国などの大規模な市場に対する輸出を継続・拡大する。新興国を中心にコスト競争力向上等を通じシェア拡大も進める。
リサイクルでは、家電・自動車分野において、技術力とノウハウを生かし、一連のバリューチェーンを一気通貫で押さえる「和製リサイクルメジャー」を創出するために、中国を皮切りに実績を積み上げ、得られた実績をベースにアジア他国や他分野へ拡大を図る。