アルプス電気は、薄型テレビやパソコン用モニタなどの電源用スイッチに適した単極ロッカータイプAC電源スイッチ「SDDJF1Aシリーズ」=写真=の量産を今月から開始した。サンプル価格は280円。2011年10月に月産100万個を予定。生産は中国の無錫アルプス。
新製品は単極ロッカータイプのAC用電源スイッチとしては、業界最薄の厚さ5・2ミリで、同社従来品(SDDJEシリーズ・厚み12・4ミリ)に比べ、約3分の1となっている。
また、確実な接点接触を実現するため、同社独自のトーションばねを利用した接点構造を採用。接点荷重が安定的に加わることで、接触信頼性の向上を図り、さらに可動接点が固定接点上を擦って動作するワイピング構造を取り入れることで、接触信頼性が更に向上。
テレビなどの主電源スイッチは、省エネ化に伴う待機電力を削減するために搭載が増加している。薄型テレビで一般的に使用される電源スイッチは、従来、制御回路のオン/オフのみを行う微小電流用のDCスイッチが主であったが、DCスイッチの場合はオフの状態でも、テレビには回路起動用の微小な電流が流れ続けるため、待機電力を消費している。
これに対して、交流電源ラインを直接オン/オフするAC電源スイッチでは、スイッチをオフにすると、コンセントから電源プラグを抜いた時と同じ状態になり、待機電力をゼロにすることができ、薄型テレビにおいても待機電力をゼロにできるAC電源スイッチ搭載へ見直しがされている。
ただ、AC電源スイッチは、AC100V~240Vの高い電圧でのオン/オフを行うことから、確実な絶縁性が求められる一方、部品筐体の小型・薄型化は、製品の内部空間がより小さくなり、絶縁性の確保が課題となってくる。
同社では、独自の内部構造(特許出願中)により絶縁性の劣化を防止し、薄型であっても高い絶縁性を確保した。
取り付けは、はんだによる取り付けとワンタッチコネクタ(ファストン#187)にも対応をしている。外形サイズは25・0×5・2×17・0ミリ。電気定格8A/128A250V~。