分岐点

昨年後半から急上昇していた液晶製造装置向けセンサーなどの制御機器受注がここにきて止まった。ただ半導体製造装置向けは依然旺盛である。総じて、昨年を上回る状況を維持しているが、日本人の性向なのであろうかマイナス面に目が向かいがちで先行き不安視したくなる。

制御機器搭載率の高いロボット産業をはじめ、工作機械、加工機械などは昨年度と比較して大幅な生産増が続いている。食品、飲料水、医薬品関連では設備リニューアル需要が根強い。過去のピークを超えるまでにはいかないが、昨年の大不況を乗り切った制御機器業界は足元の需要がまだしっかりしている。

需要が下降から上昇に転じる時、シェア獲得競争が一段と激しさを増すのは過去の例からも分かる。制御機器の需要構造は製造機械、民生用機器さらに社会資本財関連までと幅広い。専門メーカーは全分野で販売競争すると疲弊が大きくなり、次の景気下降時に維持できる体力が弱まる恐れもある。景気の「山」が短期傾向にある近年は、経営が難しい。

ランチェスター戦略では「一騎打ち戦闘力=武器(製品など)の性能×兵力、集団戦闘力=武器の性能×兵力の2乗」とある。専門メーカーは場を絞り込み営業数で優位に立つのが最善策といわれる。営業数で勝るには商社の存在と連携が大きい。

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