オムロンは、長時間データ収録をローコストで実現したポータブルマルチロガー「形ZR―RX25□」(標準セット11万円、バリューパック13万8000円)、同「形ZR―RX45□」(同17万円、19万8000円)=写真=を9月1日から発売する。初年度販売目標は3000台。
データロガーは、各種センサで行った計測結果をデータ保存する電子計測器。パソコンと接続することで、グラフ化や異常時のメール通知ができ、ISO対策やトレーサビリティに活用できる。
従来、データロガーでの長時間データ収録は、USBメモリなど外部記録媒体が別途必要だったが、情報セキュリティの観点からUSBメモリなどを現場に持ち込めないケースが多く、長時間データをデジタル記録管理したいユーザーニーズが強かった。
形ZR―RX25□/RX45□シリーズは、小型・ローコストながら、2GBの大容量メモリを搭載。同社従来比で約500倍の長時間データ収録(ZR―RX25A、アナログ10ch/サンプリング速度50以上msの場合)が可能。情報セキュリティ上、USBメモリを持ち込めない生産現場に最適である。
長時間の連続データ収録時に、古いデータを消去し常に最新データのみを保存するリングメモリ収録機能を搭載。容量超えによるデータ収録停止を未然に防ぎ、生産トラブル発生時の原因追求を可能にした。
全チャネル間を絶縁することで相互干渉をなくし、ノイズの少ない高精度なデータ収録が可能。入力信号は、電圧/温度/湿度/パルス/ロジックのマルチファンクション対応で、電圧と温度が同時に計測可能など、異なる測定対象も1台で収録できる。さらに、ZR―RX45□は、標準20chから最大200chまで20chごとに拡張可能。
デルタ∑A/D変換方式を新たに採用、ノイズ耐性を向上させ、熱電対などでの温度計測時に高信頼性を発揮する。オプションの長時間バッテリパックを使用すれば、ポータブル運用のほか、生産現場の電源異常発生時でもデータ収録が継続可能。Webサーバ機能搭載で、データロガーの遠隔操作を実現した。