オムロンの100%子会社であるオムロンスイッチアンドデバイス(OES、岡山市中区海吉2075、〓086―277―6122、谷口宜弘社長)は、2011年7月をメドに、本社内に新規開発のスイッチを中心としたパイロット工場を設ける。
同社の本社2号館は、従来オムロンのIAB(インダストリアル・オートメーション・ビジネスカンパニー)の部品物流拠点として使用されていたが、このほどオムロンの草津事業所(滋賀県草津市)にこれを移転し、OESが改修して新工場にする。
新工場はパイロット的工場で、生産品目はデジタルカメラ用のマイクロスイッチ、産業機械向けリミットスイッチ、車載用スイッチなど、同社にとって新規の産業用・機械用スイッチが主体となる。生産規模は年間30億円程度を見込んでいる。
こうした新規のスイッチは当面、同工場で量産されるが、同社では「軌道に乗れば将来的に別工場に移管することも有りうる」としている。
同社のスイッチ事業は、業務・民生分野、車載分野、FA・産業分野まで3万種以上という業界トップクラスの品ぞろえを誇っており、業務・民生分野はマイクロスイッチ/タクティルスイッチ/DIPスイッチ/ロッカースイッチ/トグルスイッチなど、産業機械分野は押しボタンスイッチ/リミットスイッチ/セーフティスイッチなどを取りそろえている。
同社では、産業機械向けスイッチはまだまだ事業的に深入りできる範囲としており、業務・民生分野のスイッチ生産で築き上げてきた製造コストの削減方法などを取り入れることも視野に入れている。
新工場ではコスト削減のほか、省エネや作業環境への配慮から新技術を導入する予定である。また、製造工程での金属や樹脂の廃棄部分最小化に取り組むほか、部品・原材料の共通化を進める。
なお、現在のOESの製造拠点は、倉吉・出雲の両事業所のほか、中国深〓、同上海、インドネシアがあり、スイッチ全体の売り上げ額は約250億円で、売上比率は国内約80%、海外約20%となっている。
同社は、スイッチ事業での世界一を目指しており、2018年度までに売上高500億円体制を目標にしており、その時点で国内60%、海外を40%まで引き上げる方針である。