分岐点

経済産業省は来年度概算要求にインフラ輸出支援事業費約165億円を計上している。各国が政経一体で売り込む時代なのだから、金融、設備、運営、回収までのノウハウをパッケージで提供する政策としては、少額である。▼
発電機、鉄道、船舶、航空機などの発達は生活環境を変え、交易促進に役立ってきた。欧米の先進技術が各国に恩恵をもたらしたが、時が過ぎ勢力図が変わりつつある。アジア勢が力をつけてきた。造船では韓国、中国、日本の3カ国が市場シェアの9割を占める。航空機ではまだ欧米勢が圧倒している。▼2008年の航空機生産額は、米国が15兆9千億円と抜きんでている。次いでフランス4兆6600億円、イギリス3兆5500億円、ドイツ3兆4400億円、カナダ2兆2400億円。日本は6位の1兆2258億円である。▼鉄道車両分野でも、カナダ、ドイツ、フランスで6割以上を占める。日本のシェアは約1割。カナダのボンバルディア、ドイツのシーメンス、フランスのアルストムがビッグ3である。鉄道もまた、輸出型産業へと変貌し世界市場での競合が激しくなる。▼日本は低炭素社会の実現を標榜している。いずれ、培ったノウハウで海外市場に向かう時期が来る。FA制御・システム業界は今から低炭素社会に関わりを持つ研究・開発が求められる。

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