アジア最大の物流・ロジスティクス専門展示会「国際物流総合展(LOGIS―TECH
TOKYO)2010」が、9月14日から17日までの4日間、東京ビッグサイト(東2・3・5・6ホール)で開催されている。2年に1回開催される同展には、412社1441小間(前回406社1991小間)と、社数は前回を上回る規模となった。開場時間は午前10時から午後5時。入場料は1000円(招待状持参者、事前登録者は無料)。また、自動認識総合展の来場者も再登録すると無料で入れる。期間中12万5000人(前回14万576人)の来場が見込まれている。9回目を迎える今回のテーマは、「豊かな未来を拓くロジスティクスイノベーション~環境調和とグローバリゼーション」。
同展は、物流・ロジスティクスの高度化・効率化に不可欠な最新物流機器・システム・ソフトウェア・サービス等、ソフトとハードが一堂に集結する。自動倉庫などの保管システムはじめ、仕分け・ピッキングシステムなどのハードウェアの導入は、物流現場の自動化・省力化を実現し、倉庫管理システムや輸配送システムなどのソフトウェアの導入は、物流システムの合理化・効率化を実現する。
同展事務局では今年3月、来場対象者ら約1400人に、「展示会で見たい製品」をWebでアンケート調査を実施した結果、従来とは異なる傾向が見られた。前回の08年開催時には4位止まりだった「ピッキング」が今回調査では1位となり、これまで上位5位には入っていなかった「情報機器/ソフトウェア」「包装システム」が4位、5位にランクインした。こうした来場者ニーズが変わってきた背景の1つには、通販市場の成長が考えられている。日本通信販売協会の調べによると、通信販売売上高は06年度で3・68兆円、08年度に4・14兆円と増加傾向にある。また、富士経済調査によると10年度には4・9兆円になると予想されている。
これに対応するため、物流業界も通信販売での商品発送にかかわるピッキング・包装・在庫管理の強化が求められており、展示会で情報収集したい製品についても傾向が変わってきているようだ。
同アンケート調査では、「現在抱える物流・ロジスティクスの課題」(自由回答)も訊いているが、「ピッキングミス・誤出荷」「包装の適正化」「在庫保管の効率化」「輸送時の荷物破損」などの意見が挙げられている。
同展では、集中展示コーナーに「環境にやさしい包装システム」を設け、荷物破損を防止する緩衝材/荷崩れ防止装置、再利用可能な梱包材、最新の包装機/梱包機などが多数展示される。また、「情報機器・ソフトウェア」「ピッキング」ゾーンでは、ICタグを使用し入出庫を単品管理できる入出庫/在庫管理システムなど、ピッキングシステム、誤出荷防止システム、在庫管理システムなどが出品され、来場者ニーズに応えた展示内容となっている。
グローバル物流に特化した「グローバルロジスティクスソリューション」の集中展示コーナーも新たに設けた。企業の継続的な発展や競争力強化のためには輸出入業務の円滑化は必須である。
同展の来場対象者からも、「輸出入増加に伴うグローバル化のノウハウ不足」「国際輸送コストの低減」「サプライチェーンマネジメント(SCM)の強化」など、グローバル物流に関する課題を挙げる声が多く寄せられているという。
同コーナーでは、国際輸送ステータスを可視化するシステム、アジア―中国―中央アジアを結ぶ物流経路の紹介、中国市場向けネット通販ソリューション、アジア主要国の物流拠点紹介など、企業のグローバル展開を支援するソリューションが充実した展示内容となっている。
集中展示コーナーでは、「安全で環境にやさしいトラック輸送」の展示も設けられる。飲酒運転根絶に向け、各社からアルコール検知器が出品され、実演・体験することができるほか、「事業用自動車総合安全プラン2009」で一層の普及促進が掲げられている「ドライブレコーダー」「デジタルタコグラフ」をはじめ、エコドライブや安全、効率化など、CO〓削減を支援する製品・サービスが多数展示される。なお、4日間にわたって23セッションのプレゼンテーションセミナーも行われる。