日本配線資材工業会(JWAA、高橋信房会長)は、東京・千代田区のみずほ情報総研本社で「JAMP/AIS作成実務者セミナー」を10日開催した。成型品など加工・部品業界の化学物質管理情報を伝達するための共通の情報伝達シート作成を学べるとあって、受講者は真剣なまなざしで取り組んでいた。
セットメーカーから製品含有化学物質の情報提供が要求されている配線資材各社は、川上からの情報入手や情報記載など事務コストが増加し、その対策に苦慮している。
JWAAは、今年度の重点事業に化学物質管理を掲げ、3月に経営層を対象に化学物質管理セミナーを開催しREACH規制や商取引上の重要性を学んだ。
今回のセミナーは2回目で、実際に情報伝達シートを作成する内容。
受講者はパソコンを持参し、JAMP専門委員会メンバーである地頭園茂氏の指導を受けた。JAMP/AISの概要説明、材質情報の必要性、AIS作成の手順、材質分類、作成支援ツールの操作などの説明を学習したあと、グループによる作成実習、個人による課題実習をこなした。参加者は、パソコンを使いながら、情報入力の仕方を質問するなど真剣そのもの。
4時間の実習で情報伝達シート利用による作業の効率化、事務コスト軽減に手応えを得た。
AISは、成型品の生産過程で使用され残留する可能性がある「管理対象法規に該当する物質の情報」をサプライチェーンの川下(組立産業)に伝達する共通シートで、JAMP(アーティクルマネジメント推進協議会)が提唱している。川上から川下まで業種業態を超えてつなぐツールとして使用される方向にあり、現在作成中のJIS規格の原案にも採用される。