東芝の子会社である東芝産業機器アジア社(ベトナム・ドンナイ省ビエンホア市、辻岡憲広社長)は、ベトナムのアマタ工業団地に建設を進めていた産業用高効率モーターの新工場で操業を開始した。
新工場は敷地面積約8万平方メートル、建屋面積約2・4万平方メートルで、同社では最大規模のモーター生産拠点。
2015年には従業員数を、現在の約140人から約500人に増やす計画。
生産するのは100馬力以下の産業用高効率モーターで、15年度には完成品ベースで年間約120万台をグローバル市場に出荷する予定。
高効率モーターは、エネルギー損失の30%低減を実現し、信頼性が高く低騒音であるという特徴があり、地球温暖化対策が国際的に取り組まれる中で、消費電力を抑えることでCO2排出量低減に貢献することなどからニーズが高まっている。
また今年12月からは、米国をはじめ世界各地で所定基準以上の高効率モーターの製造・販売が法律で義務化される予定になっており、産業用モーターにおける高効率モーターの占める割合が大幅に上昇すると予想されている。
新工場で生産するモーターは、当初は法制化で先行する北米市場向け輸出が中心となり、その後中国、東南アジア、日本、欧州、豪州などへも拡大を図る。
これによって東芝は、モーターの製造拠点として日本は東芝産業機器製造(三重県三重郡朝日町)、米国で東芝インターナショナル米国社、中国で東芝大連社の3拠点が整い、全世界に供給できる生産体制を確立した。これによって15年度の売上高目標を700億円に設定し、世界シェアトップ3を目指す計画。