水質自動監視装置の大手メーカーである環境電子(福岡市早良区賀茂4―6―25、Tel092―872―5152、山本隆洋社長)は食品、半導体、電子・電機、化学など民間企業向け販売に乗り出した。商社、エンジニアリング会社などと販売提携先を募集している。
米国同時多発テロ事件以降、上下水道、排水などの水質管理の徹底が注目されている。厚生労働省大臣官房通達「水道に関する危機管理対応について」では、水道施設について水源監視の強化、浄水場、配水池などの警備強化、防護対策の確立を図り、バイオアッセイ(生物検定法)などによる水質管理の徹底を指導している。
同社ではメダカによる水質自動監視装置を20年前に実用化、2000年に新型NBA―03型を発売。新型は全国の浄水場などに130台を納入、日本で最大の納入実績を誇っている。
民間企業にもトヨタ自動車、三菱化学、アサヒビールなどに納入しているが、食品会社がシアン検出で社会問題になるなど水質監視が今後、製造業でも重視されるとして、製造業への拡販に乗り出したもの。
水質自動監視装置「メダカのバイオアッセイ」NBA―03型は、毒物などに敏感に反応するヒメダカを活用し24時間連続的に水質監視できる。独自開発の水槽でヒメダカの群れをCCDカメラで俯瞰撮影、高精度画像処理で解析しパソコンに表示するシステム。ヒメダカの動きが鈍るなど異常が発生すると段階的にアラームで警告する。専用ソフトで遠隔管理ができ、複数個所の遠隔監視システムも安価で容易に構築可能である。日々の管理状態を記録に残せる。電子部と水循環部が耐震構造の小型筐体に収納されており、しかも保守点検が簡単にできるシンプル構造である。
本体価格は670万円。オプションとして加湿器、濾過器、パソコン管理ソフト、PH計、濁度計、油検知器などを用意。