かわでんは、設計、板金・プレス、塗装・メッキ、配線・組立、検査まで一貫生産体制を敷き、キュービクル・配電盤・監視制御盤・動力制御盤・分電盤などを製造販売している。トヨタ生産方式を導入し、カスタム型配電制御システムでは難しいといわれた流れ作業を実現、受注から出荷まで3日間体制を敷いている。資材購買では機器・資材の選定・購入に際して、会社の方針である「お客様満足度120%の達成」を前提に取り組んでいる。
社長付資材購買担当の佐藤昭夫顧問は「電気の安定供給を図るため、お客様の求めるスペックに対し120%の性能や容量を持つ機器を選定している」と顧客第一を徹底している。
同社は、トヨタ生産方式を自社流にアレンジし台車による流れ作業で配線、組立、検査を行っており「万一、生産ラインが止まった場合は行燈が点灯する仕組みになっており、すぐにいつまでに調達するといった対応を講じるようにしているが、部品不足や手配間違いは許されない」。そのため、購買は商社経由であるものの「機器・資材メーカーとの信頼関係を重要視している」という。
機器・資材メーカーの製品情報収集にも注力している。「データベースを構築しているので、新製品の発表・生産中止や代替品の情報は最低でも3カ月前に提供してもらう。また、当社では鉄、銅の使用量が多いことから建値の推移をグラフ化して資材の価格見通しや機器価格への影響を予測し、仕入先メーカーの協力を得て購入の対策」を講じている。
機器メーカーでは昨年秋以降、半導体や電子部品が入手できず納期遅延が発生しているが、同社では「大型件名の情報を事前に機器メーカーに伝え」機器調達への影響を極力減らしている。機器・資材メーカーとの情報交換を重視する成果である。
機器選定に当たり、同社の資材購買の姿勢を理解してもらったうえで「価格、納期、JIS・海外規格、サービス体制の順」で可否を判断している。サービス体制について「当社は365日24時間体制なので万一、クレームが出ても即対応できる体制になっている。また、受注から製造までの間に仕様変更を要求されることがある。機器メーカーの応対力が重要」とする。
顧客の機器指定は少なくなっている。「配電盤で施主などから指定されるのは主にブレーカー、遮断器、大型変圧器であるが3割程度。PLC、表示器、電源トランス、リレー、押釦スイッチ、メーター、温度調節器、タイマー・カウンター、端子台などは自社で決定している」。配電盤、分電盤、制御盤を一式受注の場合は、同一メーカーの製品を採用するそうである。
新製品に対しては、品質管理部で自社仕様に照らしてチェックし合格してから価格交渉を行っている。
資材購買の役割は非常に大きい。
【会社】▽株式会社かわでん▽代表取締役社長=西谷
賢▽本社=山形県南陽市小岩沢225▽電話=0238―49―2011▽東京本社=東京都大田区南蒲田2―16―2、テクノポートカマタ▽電話=03―5714―4332▽工場=山形工場(山形県南陽市小岩沢225)、九州工場(佐賀県佐賀市大和町川上4583―1)。
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