日本電機研究所は、プロセス管理システム、制御システム、制御盤・計装盤、配電盤・モータコントロールセンター(MCC)まで各制御システムの設計・生産・販売を行っており、ハードウェア、ソフトウェアの両面で各分野における最適の生産システム制御を提供している。
また、04年には中国・天津にマルヤス電機工業と合弁で、電源盤・自動制御盤の設計・製造及びコンピュータ・シーケンサ/ソフトウェアの設計などを行う海外事業所「TAC」を設立。中国に進出している日系企業を中心に、フォローできるよう現地調達の体制を整えている。
資材購入に関しては、基本的に日本配電制御システム工業会が出している指針に沿う形で機器類を選定し、コストダウンを行っている。
同時に社内で「コストダウン対策プロジェクト」を立ち上げており、使用部品の標準化を見直す作業などを行っている。同プロジェクトの具体的な検討課題では、ブレーカーとマグネットなどの一体化や、ダクトを使用しない配線などの研究・開発を行っており、同社・松下幸司技術部長は「こうした各種の対策が功を奏し、徐々にコストダウンの成果が挙がってきている」と語る。
一方、顧客から部品指定がある場合は、それに従うことが原則である。ビル関係は標準製品が多く出るが、特に、同社の顧客は大手ユーザーが多く、オーダーメイドも多い。こうした大口の物件については、資材の購入に関してもそのつど検討し、コストが低く最良のものを選定している。
また、同社は中国・天津に製造・販売拠点を持っており、現地に進出している企業などから、さらなるコストダウンを要求される場合は、中国の製造拠点で製造した製品を供給するケースが多い。
盤用機器の選定に関しては、内蔵するトランスや筐体などにおいて、国内製品は品質面で間違いなく信用が高いので、国内製品を購入する割合が高い。数社から選ぶ場合にはコストが変わらないときは、やはり長い付き合いで信頼関係のあるメーカーから購入するケースが多い。
また、最近の盤業界は、発注から納品までの納期が短くなっている。設計ソフトやシーケンサソフトに関しては、同社は内製している有利性を活かし、納期の短縮化を図っている。制御機器業界では、一部で製品が不足する事態が起こっているが、盤関連ではそれほど部品不足の影響を受けていない。
同社は昨年、本社工場の増設を完了した。現在、本社工場は増設した部分を含め、生産体制が十分に機能してきた。生産面においてもコストダウン対策プロジェクトが活かされている。
松下部長は「本社工場の増設と同時にコストダウン対策が進んだこともあり、事業展開においても弾みがついてきた。自動車、食品、化学、繊維などあらゆる産業に対応できる体制が整い、全体的にボリュームアップが図られた」としている。
人材面については、同社は技術面を強化する方針を出している。この春に技術スタッフを採用した。さらに、営業担当者も技術知識を身につけた理工系の学生を採用し技術面の営業でも顧客をしっかりとフォローできる体制を整えている。
【会社】▽株式会社日本電機研究所▽代表取締役社長=福地
邦臣▽本社・工場=大阪市大正区泉尾7―1―1▽電話=06―6552―1471▽泉尾工場(大阪市大正区泉尾1―30―5)▽海外事業所(中国・天津)
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