三菱電機が「生産の効率化」と「エネルギーの効率化」を同時に実現できる計測機器として発売したのが、同社の汎用シーケンサ「MELSEC―Qシリーズ」のベースユニットに装着できる「電力計測ユニット」(QE81WH)。シーケンサに直接スロットインして、生産設備の使用電力をきめ細かく計測し効率的なエネルギー管理を簡単に実現できる。
シーケンサユニットとして使えることから、シーケンサとの通信線や通信ユニットが不要となり、省配線・省工数で、通信プログラムの作成作業もなしで、システム構築がスムーズに行える。シーケンサの空きスロットを利用すると、制御盤内の機器配置にも影響を与えずに電力計測器が導入できる
ユニットの外形サイズも27・4×98・0×90・0ミリと小型で、従来別置きだった電力計測機器の設置スペースが不要になる。また、単相2線から3相3線まで、生産設備ごとのきめ細かな原単位管理をサポートした使用電力計測で、省エネや生産性向上に繋がる。
しかも、250msと従来よりも短い周期での計測データをバッファメモリに収集可能で、きめ細かな原単位管理にも容易に対応できる。
さらに、製造現場の制御盤に設置したプログラマブル表示器(GOT)に原単位グラフが簡単に表示でき、高速データロガーユニット(QD81DL96)と組み合わせ使用することでパソコン上で簡単に原単位分析も可能。電力計測ユニットの導入効果として、工程ごとや製品品目ごとにきめ細かな原単位管理ができることから、装置の省エネルギー削減が図れるほか、生産時と非生産時のエネルギー消費量も把握でき、非生産時の待機電力対策などの省エネ化にも繋がる。
予防保全効果として、機械・装置の電力量(または電流量)増加を検知することで、装置の潤滑油補給や研磨機(切断機)の刃の交換などの実施で、突発的な故障を未然に防ぎ、設備停止による生産ロスを削減できる。品質管理効果として、製造装置の電圧・電流・周波数の異常を検出することで、装置のヒータ断線による不良品の流出を防ぐこともできる。