三菱電機は、9月21日付けでインドに現地法人「三菱エレクトリック・インド」(本社=グルガオン、山部真司社長、資本金5億ルピー=約9・5億円)を設立し、11月30日から営業を開始する。
インドは、これまで三菱エレクトリック・アジア(シンガポール)管轄の2つの支店(グルガオンとバンガロール)が担当していたが、現地法人設立で市場開拓を強める。
新会社では、家庭用やビル用エアコンなどの空調システム、FA製品、省エネ家電などに使われるパワー半導体の3つの事業を中心に展開し、インド市場での販売網やマーケティング、アフターサービスなどを進める。また既に展開中の電力や鉄道、昇降機を含めた社会インフラ関連分野などでも取り組みを強化し、2015年度にはインド市場で09年度(約250億円)の3倍にあたる約750億円の売り上げを目指す。
インドは人口が約12億人で成長市場として今後拡大が期待されており、25年には米・中・日に次ぐ世界第4位のGDPを有する経済大国となる見込みだ。鉄道・電力などインフラ関連需要に加え、中間所得層の拡大に伴い消費市場としても急速に拡大している。
また、インドのFA市場は、製造業や装置メーカー、社会インフラ投資関連を中心に年率10%以上で伸長し、09年の約400億円規模から15年には2倍の900億円近くまで成長すると予測されている。
同社では新機種の投入などにより、メイン市場である自動車・繊維・印刷・工作機械などの製造装置メーカー向けに拡販を強め、特に自動車関連では、今後現地生産台数の増加が見込まれる自動車メーカーや自動車関連メーカーに対して採用活動を行う。また新分野として、システムインテグレーター(SI)と連携し、地下鉄や鉄道などの社会インフラ案件の獲得や、水処理・製鋼などのPA(プロセスオートメーション)ビジネスや省エネビジネスへの取り組みを強化してい
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このため、セールスやマーケティングスタッフを増強し、未開拓地域での新規代理店を増やすとともに、既存サービス拠点であるインドFAセンターを新会社へ移管して強化・拡充、販売・技術サポート体制を整備する。
インドでは欧州のシーメンスやABB、米のロックウェルなどの大手FAメーカーが基盤を築いているが、同社は国内で高いシェアを有するシーケンサやサーボモータ、インバータなどのFA機器をはじめ、遮断器などの配電制御機器、放電加工機やレーザー加工機などのメカトロニクス機器で事業展開に取り組む。
人員は従来の2拠点時の2倍の約60人。なお、同社はインドに99年に100%出資の自動車機器の製造販売会社を設立しており、今回で2社目となる。