オータックス(横浜市港北区新羽町1215、TEL045―543―5621、富田周敬社長)は、2011年度からの5カ年間中期経営計画「PLAN115」を策定した。10月1日付けで新社長に就任した富田氏の初めての計画。
PLAN115は、100億円の売り上げと10億円の利益を5年間で達成するという目標で策定しているが、「一時的に達成しても、また下がってしまっては意味がない。コンスタントにこの数字が維持できるよう社内体制を整備していく。数値も社員にわかりやすさを伝えるために設定した」(富田社長)。
同社は、リーマンショックを挟んで2回のリストラを実施し社内コストを下げた取り組みを行った結果、今期売り上げは前期の59億円から計画の81億円を超えて、前期比44%増の85億円まで拡大すると予測、利益も黒字に転換する。
06年に過去最高の96億円の売り上げを達成しているが、「現在の円高・ドル安の状況と比べるとこれを超えているかもしれない」(富田社長)。
この取り組みを支えるのが付加価値の高い新製品の開発・販売と、生産コストの削減が大きな柱。
付加価値の高い製品では、主力のスイッチ、コネクタ、端子台に加え、成型部品やプレス部品の加工やアッセンブリー、携帯電話向けコネクタなどにも注力し、今年度30%の売り上げ比率を50%まで高め、従来品(スイッチ、コネクタ)と同じ割合にする。同時に、生産拠点から市場として発展している中国には15年前に進出し、深圳で約3000人の従業員を有し生産を行っているほか、上海、香港に営業拠点を構えるなど、中国の顧客に密着して展開しているのも大きな強みとなっている。
「来年春ぐらいまでに、中国に営業のファンクションを設け、日系企業や中国ローカル企業へ、スイッチ、コネクタ周辺をワンストップで供給できる体制を確立する。エネルギー、エコ、ヘルスケアなどで今後伸びが期待できる」(富田社長)。
一方、中国工場も人件費の上昇が見られることから、生産コスト削減に向け3年前から半自動化生産を進めている。富田社長は「中国市場の開拓と並行しながら、次のターゲット市場として、インドやバングラディシュなども視野に入れている。グローバル視点での経営展開をさらに進めたい」と今後の取り組みに意欲を燃やしている。